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<<第57回富士登山競走 2004.07.23(金)    DTP新刊>>
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2004年04月28日

春の機械人形映画2本

[ 0-日々のFLAG ]

サイボーグとかバイオロイドとか、そんなアニメっぽい映画なので、がんばれ、超がんばれ!

『イノセンス』

ちょっと前に観たもんですから、すっかり記憶が薄れてしまいました。
押井「映画」でありました。絵的にすごい、だがしかし!(という友人の指摘がまさしくしかり)。
一瞬、ふいに泣きたくなるシーンがあったけど、思い出せない。

イノセント、と書いて打ち直して、この映画に『ザブングル』の能天気で破天荒な無頼の希望を希望するのは無理か。
芝居みたいでいいんです、二人が哲学(禅)問答を繰り返しながらひたすら突っ走るロードムービーとか作ってくれませんかね。何言ってるんだかわからないけど、ひたすら動いていくという……わけわかんなくて頭がカァアアアアーーーっとするような作品をぜひよろしく。

ネットで拾った「応援文」で秀逸なものを以下に。

「 ヤバイ。イノセンス ヤバイ。まじでヤバイよ、マジヤバイ。イノセンス ヤバイ。
まず美麗。もう奇麗なんてもんじゃない。超美麗。美麗とかっても
「ニュージーランドでロケ?」
とか、もう、そういうレベルじゃない。
何しろ全部セピアに輝く観た事も無い未来。
 スゲェ!なんかロケとか参考都市とか無いの。
超越してる。。
しかも濃厚な台詞情報攻撃があるらしい。
 ヤバイよ、休み無くストーリーが転がり続けるんだよ。
だって普通の映画は説明的になったりするじゃん。
 誰でもついてこれる間ができてるじゃん。
一緒に観た人と「あの台詞良かったね」って話をする時、
 言うのに15秒以上もかかる台詞があると会話が止まるっしょ。
何語か解らないなと思って観てたらモロ日本語で
 自分の連れは理解してて自分は全く解ってなかったとか泣くっしょ。
だから普通の映画はゆっくり判りやすい言葉にして、名言格言はちょっとにする。
 話のわかるヤツだ。
けど イノセンス はヤバイ。そんなの気にしない。
 脳がネットに繋がってる人達の話だからゆっくりしない。
Googleと地球シミュレータとフレッツ光200万本が頭蓋骨に入ってるぐらい速い設定。
ヤバすぎ。
そんなヤバイイノセンスがなんと
 カンヌ映画祭のコンペにノミネートされました!!!がんばれ!超がんがれ!!」

『APPLE SEED(アップルシード)』
こういうお話です。

西暦2131年、世界を壊滅間際まで追い込んだ非核大戦が終了したころ、主人公、デュナン・ナッツは、荒廃した町でヘリの攻撃を受ける。昔の恋人、ブリアレオスによって巨大人工都市・オリュンポスへ連行されたデュナンは、バイオドロイドと人間の対立に巻き込まれていくのだった。原作は、ハリウッド関係者にも絶大な人気を誇る士郎正宗のデビュー作。監督・荒牧伸志、プロデュース・曽利文彦。2004年春公開。

3DCGの「映画」なんですが、「映画」になってるかどうか、ギリギリのライン。
日本人が制作したフル3DCGのセル画っぽいアニメはこんなふうに動くのか、という「映画の中の違和感」を楽しめる? 作品だった。それなりに口重く、ウーン、ムムムムーと思える作品。
いや……重いのは押井監督に任せて、もっと気楽にいきましょう、そうです、娯楽です。80年代のテイスト、正攻法の作劇、いいじゃないですか。制作費を抑えて速度をアップできる新しい3DCGのツールを使い、あとは何を表現するかです。日本の若手の出番です。

で、辛口混じりに……
◇お話
ストーリーの素材は面白さを秘めているのに、それを絵的に(動画的に)見せるための仕掛けがイマイチ(というか、ニ)。

◇音楽
あのな……もっとガンガンやれってば!(笑)戦闘だぞ、気合いいれなきゃ。ところで、教授も参加してるようだけど、どうでもいいや。

◇動き
・モーションキャプチャーでフルCGで起こす新しい手法(「トゥーンシェイダー」)だそうで。タイミングが悪く、動きに爽快感と現実感がない。たぶん、動きそのものはデキテるんだと思う。問題はカメラだよ、カメラの位置! 架空に作った世界のなかに、どういう視座を置くか、ってこと(セルのアニメ的なタイミングに慣れているだけかもしれないが)
・ダラダラと「技術」を見せられるのは辛い。
・実際の人間は動いてるようで動いてない。姿勢の持続で意思を示したりする。なんでも動かせばいいわけじゃない。
・涙が落ちる動きには正直、ギャグかと思ってしまった。
・シーンの出来でかなりバラツキあったけど、マシンを動かすギミックは心地よかった。
・「爆発」に重みがない。普通、巻き込まれてやられるだろ……

◇絵
・空がペンキのようだ。ゲームの世界と同じく、有限を感じる。閉塞した、作られた舞台。それゆえの仮想空間の話しならわかるんだけど、非核大戦後の現実の世界ということなんだよな、絵に描いた餅だなぁ。それを思うと、メガゾーンは偉大(それほどでもないか)。
・人間に関しては、アニメ絵やCG絵がダメな人だと、拒絶反応でしょう。「機械だな」などと思うこともしばしば。その「機械っぽさ」を逆手にとって作るまでに至ってない。
・女性の顔は目がデカイ・・・小さく普通にしたほうが人間っぽいのに。
・顔のアップのシーンが多すぎ。アップにすると、人間の顔にはシワがいっぱいあるんだ、シワで演技するんだ、でも、フル3DCGじゃのっぺりしてだめだ。カメラを引かなきゃ。シワまで描いたら、CGでやる意味がないし。
・声優の力量がモロに出る。もっと抑えた声で。いや、黒子のモーションやってる俳優なりが、ホンモノでないと無理だ。対テロ部隊が登場するなら、ホンモノの対テロ部隊が黒子でモーションキャプチャー。
・それでも、「へー、ここまで表情が出るんだ」というカットや、微妙なコケティッシュなしぐさにドキっとするシーンもあった。ただ、それは、人形の持つエロスみたいなもんで、人間そのものに対する感情(移入)の動きじゃないんだわなぁ。何か違うんだな。

◇よかったところ
・ランドメイト、というロボットが好き、あれでボトムズの硝煙感? があれなぁ。多脚砲台の動きもよかったが……怪獣映画ならもっと重くて怖い表現ができるはず。
・人間の顔に感情移入できず、ブリアレオスの丸まった背中に「人」と「人生」を感じたオッサンのオレだった。

Posted by gont at 2004年04月28日 02:53 | TrackBack