本と出版に関するリンク、メモなど

新しい時代の本と出版に関する、興味深い記事、論考、話、意見、表現に関するリンク、メモなどをこの記事に追加していきます。
グーグルアラートのキーワードに引っかかったり、Twitterの誰かのtweetからたどり着いて、読んでいますが、読みっぱなしでどこにいったか忘れてしまうんですよね。
それで、忘れないようにと思ってここに追加します。

2010年3月24日(水)

どんどんテストしていきたいと思います(それにしても時間がない)。
EPUB形式で作成した電子書籍を、iPhoneやPCのStanzaで読んでもらう方法 – RyoAnna’s iPhone Blog

アドビもCS5を発表してくるし、あちこちで動きが激しいですね。

2010年3月13日(土)

iPadビジネスを先取り!EPUB関連フリーソフト5選 – builder by ZDNet Japan

sigil – Project Hosting on Google Code

HTML5 & The Web Platform

HTML5.JP – 次世代HTML標準 HTML5情報サイト

2010年3月4日

電子書籍のメジャーなフォーマットがほぼ.epubに収斂ということで、みなさんこぞって研究中だとは思いますが、さて、出版社が電子書籍を本格的に作って売り出していった場合、どうなるか、ということについて、少し考えてみます。

4)オフィスの家賃やら従業員の給与は、この4ドルちょっとの利益から出すので、この部分を削るのは厳しい。
引用元: 電子書籍はもっと安くならないのか? リアル書籍とコスト構造を比較! : ギズモード・ジャパン

リアル書籍と電子書籍のコスト表が出ています。こういう対比を実際に示すのはとてもよい企画です。

この表を見て、なるほどと思いつつ、あれ? 待てよ? なにかここにマジックはないだろうか? と思ってしまいます。
そして気づいたこと。

1)DRMをかけたり、電子書籍の販売を管理するプラットフォームのランニングコストが計上されていませんね。

2)デザイン・制作費がなぜか8分の5になってますね。電子だから安くなると思っているんでしょうか? 逆とまでは言いませんが、棒組で流せる本でない場合は、印刷所に入稿するPDF/Xデータを作成するのと、.epubのファイルを作るのと、同じ程度には面倒かと思います(図版のほとんどない棒組の本は簡単になる?)。

3)出版社がこれまで通り、1冊の本から同じ利益を得ようとしていること

中小零細出版社は確かに、紙の本と引き換えにすべてを電子書籍化した場合は、1冊の電子書籍から得られる利益を紙の本と同じ割合で得なければ存続できないでしょう。このあたりはとても興味深い議論になるかと思いますが、しかしです。
こうした考え方を変えて、もっと柔軟に対処していったほうがよいように思いました。

1)2)を見ると、電子書籍だからといって、安く作れるとは思いません。さらには、誰もが本を作り、売ることができる時代になれば、価格競争が起きて、本の価格は下がります。

本の価格を安くしつつ、出版社の取り分、あるいは、コスト構造を柔軟に設定し、複数の本を企画・編集・制作・販売していく長期的な計画を含めた経営戦略がとても大事になるだろうな、と思いました。

今まで通りの、行き当たりばったりでやっても、うまくいかないぞ、と。

電子書籍を扱う出版社はCGMのプラットフォームを作る必要があるということです。ネットが中心で、紙での出版は、ファンダムに押されるカタチで行われる、つまり、最初から部数が確定されているような。各種CGMプラットフォームが同時平行して存続していくような、長期的なプランを同時進行させていく戦略。

しかし人員が高齢化し意思決定のスピードが遅れる中小零細版元(出版社)にそれが可能だろうか?

正直、難しいと思います。

なので、電子書籍については、新しい出版社を立てて、新しい出版人がやったほうがよいのかもしれません。
とはいえ、いわゆる「書籍としての過去の資産」は持っていませんから、それはそれで、かなり厳しいとは思います。

2010年2月15日(月)

ネット界隈の著名人(アルファブロガーなど)が一斉に電子書籍についてコメントを始めていますね。おもしろいです、この動き。

俺も電子出版の未来について語ってみよう。|堀江貴文オフィシャルブログ「六本木で働いていた元社長のアメブロ」by Ameba
現代のユーザは電車に乗っている時間とか、友達を待っている時間、寝る前とかそういう細切れの時間を潰すためのアイテムにお金を払う。ここの時間を(ソーシャル)ゲームやテレビなどと奪い合うことになる。そうするとデジタル活字コンテンツはどうしても短く30分程度で読めるようなものにならざるを得ない。だから携帯小説も流行ったわけだが、そう考えると今の単行本の分量はいかにも多い。

本を読む理由、その場所、いろんな読者層があるかと思いますが、いずれにしても、本を読むまとまった時間がなくなってきているのは事実でしょう。

電子書籍だろうが紙の本だろうが、早く、的確に、効果的な読書体験ができる仕組みやサービスこそが重要なんであって、それをはずして何を作っても、読者には届かないと思います。

アゴラ : iPad対Kindle、勝負あり。そして出版の未来。 – 磯崎哲也
Appleが「プラットフォーム」を用意すれば、電子出版物を売るのに業界で歩調を合わせる必要はない。個々の出版社が(あるいは著者自身が直接)そこで販売をするかどうか決断すればいいだけだ。

事が転がり出せば、主なビジネス書や技術書などがほとんど電子出版として読めるようになるのは、今から2〜3年後、早ければ1年ちょっと先かも知れない。

以上のとおり、恐縮ではあるが、結論は「Apple一人勝ち」という面白みのないものになる。

電子書籍を扱うプラットフォーム競争では、圧倒的にAppleが有利だ、というお話し。
そこで思うのは、既存の紙の出版を行ってきた出版社では、既存取次や出版業界のしがらみで動けず、後手後手に回るということ。
新しい酒は新しい革袋、のように、電子書籍には新しい電子書籍出版社のほうが動きだしやすいでしょうね。

2010年2月12日(金)

ここ数日、示唆に富む論考が増えてきました。
新しいデバイスという黒船の噂を聞きつけて、江戸は大騒ぎ、というところでしょうか。

電子出版の経済学 – 池田信夫 blog
著者が利益の分配をコントロールする自費出版が増え、これを一定率の手数料でサポートする直接金融型の出版エージェントが出てくるだろう。もちろんリスクを取りたくない著者は、従来の間接金融型でやればよい。

アゴラ : 電子書籍の最終勝利者@オープンソース・プログラマー 小飼弾
一番重要な「プレイヤー」を忘れてませんか?
読者という、最大最重要のステイクホルダーを。

電子書籍時代には優秀なフリーの編集者や営業が求められる « NODE 科学、技術、サブカル ニュース.
私個人は、フリーランスの編集、校閲、営業、そしてそれらのマッチングサービスがこれからは必要とされるだろうなと考えています。「本を書きたい、出したい」と考えた著者の手助けをするエージェントの集団です。

2010年2月11日(木)

ジャパニーズ・ブックダムの夢 « マガジン航[kɔː]
ポット出版の未来構想。2010年以降の小出版の立ち位置を明確に指し示している。ただし、立ち位置が安定しているわけではない、その逆。そこが、それこそが、おもしろい。

Miyukick a lemon bomb: 電子書籍時代の編集者
「佐々木俊尚さん(http://www.pressa.jp/)というジャーナリストが『電子書籍時代の編集者』というタイトルで、各社の編集者を対象に、タブレット、電子リーダー登場の意味と今後の予測についてお話し」されたものを記事としてまとめたもの。
とてもわかりやすいノート。