バッハのオルガン曲bwv639を発見する

*最初、「バッハのオルガン曲bwv638[いまぞ、われらに救い来れり]を発見する」というエントリーだったんですが、番号を一つ間違えてました(笑)。
正しくは、「Ich ruf zu dir,Herr Jesu Christ BWV639 (主イエス・キリスト、われ汝を呼ぶ)」でした。

中学生のとき、[tag]深夜ラジオ[/tag]で聴いた曲。
自分にとっては、世界で1番美しい旋律ではないか、と思っている曲。
旋律を覚えているんだけど、作曲者もタイトルも知らず、何十年も過ごして、脳内リピートさせてきた。
ラジオで流れるぐらいなんだからきっと有名な曲なんだろうけど、今まで調べようとしなかった。
[tag]オルガン曲[/tag]なんて、たくさんありすぎて、調べようもない。
作曲者さえ知らないんだから。
オルガン奏者の前で鼻歌でメロディを聴かせて「あぁそれならこれ」なんて教えてもらうわけにもいかないだろうし。

でも、今夜わかった。 ユーレカ!
(続き)
調べるキッカケになったのは、「吉田達 おすすめの本」@中央大学文学部。

[tag]森有正[/tag]『砂漠に向かって』を探していた。「学生のときに森有正を読んでいたら……」と思いながらネットで検索していた。

『森有正エッセー集成〈2〉城門のかたわらにて・砂漠に向かって・日記1959年~60年』(ちくま学芸文庫)

これと一緒に検索して出てきた「吉田達 おすすめの本」に森有正『砂漠に向かって』が紹介されていた。そのページには、自分が好きなアーダルベルト・[tag]シュティフター[/tag]の『水晶』も紹介されていた(「シュティフター『水晶』についての走り書き」@吉田達。『想像の[tag]現象学[/tag]』(滝浦静雄著)も紹介されていた。学生のころ、拙い現象学の本読みの入り口になった本だった。

この先生の薦める本の世界は、自分の波長と合うようだ。

森有正『砂漠に向かって』の紹介文に戻ると、森はアマチュアのオルガン奏者で、バッハのオルガン、コラール前奏曲「人よ、汝の大いなる罪を嘆け」を弾いた音楽アルバム(絶版)も出していると書いてあった。

それで急に思い出したのは、学生のときに深夜ラジオで聴いたことのある、オルガン曲だ。
旋律(♪)が脳内で再現される。

遠いとおいラジオ放送局から発せられた雑音だらけの音楽がふと、クリアに聞こえる瞬間がある。
流星が通った後の痕跡の雲が電波を反射させる。わずかな時間にそれが起こる。
それと似たようなことが脳髄で起こったに違いない。

自分にとって忘れられないオルガン曲は、バッハのオルガン曲で、森有正の弾いた曲ではないのか、突然、そう思った。

ネットで調べてみる。
サンプル音源を聴かせているサイトがあった。

コラール前奏曲「人よ、汝の大いなる罪を嘆け」(BWV622)のサンプル音源を聴いてみるが、違った。でも、バッハであることには間違いない。制作年順なのかわからないけど、番号が近い曲であるような気がした。

それで片っ端から聴いていって、たどりついた。
BWV639(Ich ruf zu dir,Herr Jesu Christ、主イエス・キリスト、われ汝を呼ぶ)だった
(*最初、638と間違えていて、何度か検索していたらその間違いに気づいたので訂正)。

YouTubeには演奏まであるんですね。。

メジャーといえばメジャーな曲で、きっと、知る人ぞ知る、なのだろう。

ネットで言及している日本人だと、

TOLLE ET LEGE: DIARY 手に取って読め!

がありました。SFファンタジーの翻訳者の方のサイトでした。

ともあれ、長年の謎が一つ解明されただけで、充分に幸せ。あとで購入しよっと。

今、明かになったのは、時が熟す「時熟」ということなのだろう。
[tag]森有正[/tag]の『砂漠に向かって』は、読まれるべきときが来たということなのだろう。

宿題がまた一つ増えてしまった。

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