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8-アフォリズム
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2006年05月02日

ビットハンマー

>世界戦争前夜

オレのまんなかにある
火の見やぐらにあがってみれば
社会の銅鐸 緑青ふいてる

今日も今日とて檸檬の雨
あぁ爆弾よ 丸善よ
あの人は悪魔くん わたしをトリコロールにする
あいつがあいつが最初の匿名ストーカー
叩け早鐘 社会の初期化スクリプトを

02時のコンビニ前 すするカップに 吐く息白し

>明日の成分表

冬ものは処分時期の今がお気の毒
レジ係のフナミさんが言った
割引のある僕は、バーコードを通すだけにはいかない
POSにも愛嬌 きちんと値下げ後単価を

買ったのは今年全部
美しき溝の女
マッチョなすずきそのこ 茫漠たる白きうわばみ
ゴム手袋ふぇちの凍てつく鉄路
フォトショップのコマンドリファレンス
思うになぜ、「ハウス北海道」があるのに
「ハウス沖縄」がないのか
こくまろ の まろは麻呂と呼ぶのか
外税対象額1904円 外税95円 合計1999円

僕は1円のおつりにすぎない


>ワタシのミトコンドリア諸君

君はこれを読んでいるという
読まれているのではないか
なぜ疑わない?
胎内一斉放棄の日は近いと口づける者が目覚める

君の脳は アクセスしている脳は
凍った鮟鱇のようにぶちきられていた
なぜか
全館改装のため売りつくされたのだ
あの過去この過去
プロファイルされたバラバラスーパースリー
ガラクタの 過去のおもひで 打ち捨てて
奴は買った 暖かい珈琲一杯の幸せと取引した
30-50%OFFだから
君は叩き売られてお国を離れて何億里
すべてはイッツクールなパケット通信便で冷凍睡眠航法

君の過去を解凍する者はいない
読みたまえ 読む者を


>エスクワンデルの戴冠式

ネットの純真に捧ぐ我がヘリオガバルス
サイン コサイン カフェイン コカイン
罠にはまってグルになって
イラン アフガン 怒りのバイアグラ

開け ミュートマニアよ 誇大妄想を超明晰にせよ
歴史の知られざる性器に鋸を引け

鋼鉄のガールフレンドにまたがり
マクドナルニア マニュキュアの赤い軍旗を引き裂いて
轡を捨てた地下鉄のモグラどもをイブリだせ
軍資金は丸の内で熊と格闘するカラカラに追徴課税せよ

IPアドレス 抱いて死ぬにはまだ速い
ドル井戸の王 エクスワンデルに冠を!


>夜にスクロール

ねぇ君

寒いネットの海を泳いでみませんか
A! アルトー!
B! ブルトン!
C! クッキーモンスター!
ときどきpingの灯台が僕を照らしてくれる
僕は串を貫いて独りクロール スクロール

ロングロング アンチワインディングロード
西方の 狭き門に 蜘蛛の糸

かつて考えたことを 確かめに行け
壇上のアルトーは紙の海に溺れている
抱きしめるときっと君は 洗われたこともない砂塵の香りがする
それはあってあるもの に なっている

Posted by gont at 04:09

帰還

>帰還

こんな日は、人が遠くへいってしまう。
彼も彼女も、私という人も、追い払われてしまう。

怒りの曼陀羅は肩口から軋む、
寂れた遊園地の観覧車みたいだ。

言いたいことは言い得ただろうか、
言い得ぬことは言い得なかっただろうか。

夜間鉄塔の歩哨が明日に抵抗しているあいだに、
私が戻ってきてしまった。

では、行くとしようか。

なにも始まらないし終わらない日が、
また始まり、終わる。


>魂の矢に叫びの石鏃を埋め

それは、人の間に住み、弓をしぼる。
張りつめる弦は、その音色を変える。
鋼色に移りゆく人の声は蒼い叫びとなり、
空を覆う。
無数の弦に沿って張りつめられた
鋼色の天蓋は蒼い叫びに満たされる。

それは勝利する。天蓋は裂ける。
裂け目から叫びを殺すそれがやってくる。

逃れた蒼い叫びは、変移し、紅い緩慢な砂漠になる。
起立した弦は無限遠方に向かって鉛直に倒れ、
砂漠の上に黒曜石の鏃となって降り注ぐ。

人は沈み、形を変え、地下に流れる水となる。

ある日、水は砂漠に沸き立ち、再び人となり、自ら弓を張るだろう。
魂の矢に叫びの石鏃を埋め、それに放つだろう。
虹色の約束を思い出させるために。
そして、人々は人々の放った矢に刺し抜かれるだろう。

時は、星を配した天蓋を共鳴させ、人々を祝福するだろう。

Posted by gont at 04:05

砂漠の雨

>尻尾と花

生きてあることがさも得意そうに見える尻尾、そんな動きが、
気味悪く思える瞬間がある。

花が美しい、そう感じられるときもあるが、
おしつけがましい香りと猥雑な形態に顔をそむけたくなるときがある。
尻尾と花が場を私に譲らない。
岩と氷が容赦なく連続し、ひび割れ、折り重なって、
崩れ落ちたあとにできる形象のなかに居るとき、自分が気味悪く、
場違いなところに来てしまったと思う。


>居ると在る

こうして、ここに、居ること。耐え難い気分だ。
しかし自ら肯定すべきではないのか?
それでいいのではないか、と。いったい、居ることに誰の命令があるというのか、
誰の承諾を得なければならないのか。
オイディプスなのか? そんなはずはないし、ありえない。
肯定、否定にかかわらず、それは、それだけで生きて在ろうとする。
だが、在るだけ、という世界がどんなところなのか、おぼろげなイメージが浮かぶ。
あまりに辛くて、一杯の温かいコーヒーと命を交換してしまうような、そんな世界。

>自由と宙づり

居ることの耐え難さからスピンアウトして赴く、そんな独りの登攀。
登攀への脅迫か、登攀の脅迫か、脅迫のための登攀か、すべて間違いだ。
自由はどこにあるんだ。
あくまで耐え難い自己にしか戻ってくることしかできないのか。
まったく偶然、自由への意思を翻させる強制的な命令が下されるときもある。それに従って、自己は折り返される。きわめて不快に思えるこの感覚に、なにか秘密がある。
一連の感覚の時間差に逆はありえない。自同律は最大限に不快となりながら、なお、見えてくるものはいったいなんだろう。
壁に宙づりになるのと、他者に宙づりになるのと、どっちが不快だろうか。
自己と他者はあらかじめ内通しているものではないことだけは確かなようだ。
(登攀=岩を登ること、または、生きてある動き)


>街と山

街で見つからないことが山で見つからないならば、
街で見つけるよりは山で見つけよう。
山で見つかることは、街でも見つかるはずだから。
山でも街でも見つからないものは、山も街も人も繋ぐことはない。
霧で何も見えないとき、人影が目の前を横切る。


>心的エネルギーの流れ

心的エネルギーの流れがどのような表現体として現れるか、おおよその見当はついている。だがそれは、ふいにやってきて、自身を捕らえる。現在の意識とはまったく別の出自をもち、知られずに組み立てられて発現する単一の表現体が現在の意識をリセットする。その単一体の強度を高める、つまり心的エネルギーの流れの道をトレースすることは可能だが流れ自体をコントロールする、不動の場所などは存在しないように思える。


>恐怖

(岩場を)登っている最中であれば、その恐怖は、現実の岩場と自分との関係からもたらされるものだ。
しかし、まだ登っていないのであれば(つまり観念)その恐怖は、自分自身のなかにある。超克しないかぎり払拭できない恐怖。いくらトレーニングしても、幻想の自信が恐怖の扉を閉めても、恐怖は恐怖のまま残る。恐怖の底へ降りていって、恐怖の意味を身体で充分に味わえば、恐怖はいっとき、消える。だが……


>新しい感覚器官

 恐怖は危険のセンサーとして抑制を生む。ウロボロスの輪の回転は臨界に達しようとする。育ててはいけない。必要なのは、危険のセンサーではなく、困難を味わう感覚器官だ。


>反動形成としての生?

死ぬよりマシだ、といっても、死と生は比較級ではない。死の否定形の生はありえない。


>希望

辛いのは、意識を組み立てている自分の、あるいは他人の観念・精神・情動的反応の複合体だ。これらに囚われてしまうのがイヤなのだ。ある観念に囚われている自分を、自分の身体性でもって破壊し、脱出し、観念から招来される世界を変えてしまう。そしてこの闘いは、希望として、未来に延長される。この希望をイメージに対象化した瞬間、希望ではなくなるのだが。


>注意

極度の緊張から解放されると、足元がふらつく。注意せよ、終了点で注意せよ。立ち止まってレストし、一歩一歩確かめて歩き出せ、お前の足はお前の足ではなくなっている。


>折り返し

「追求する人間、急激な成長をとげる人間、つかれたような人間に興味がある。そのような人間の研究をするには、自分がそうならねばならない」
(『完結された青春-中嶋正宏遺稿集』中嶋正宏著、山と渓谷社、1989年6月30日)

独りの若い登山家が書き記した言葉。
人は言葉を届けようとする、山を登ったら降りるように。
だが、なんのために? 
彼をとりまくあらゆる障害、身を遠くまで引き離し、対象化する。
超越的な視野におさめるために高みを目指したのではなく、逆に見上げるために。
冬の凍てつく岩壁の下、彼の凍った身体とともにそれはあった。
人は常に折り返す、身体が折り返せなければ、別のなにかが折り返す。
褶曲する意思、命。


>戸惑い

行き詰まると途端に考え出す、さも、理性は行き詰まっていないかのように。いくつかの手を検証するとして、間に合わなければ? その戸惑いが罠だ。時間は身体をもっている。別の声が宣告する。


>リズム

生きていることが順調に思えるとき、人は、そこに不規則な新しいリズムを読む。同時に堕落の予兆を感じる。リズムは生物の特徴ではなく、もともと非生物の特徴だから。この世界には存在しなかった、新しい固有のリズムは、新しい生命と共に生まれるが、同時に、これまでのリズムの調子は狂う。
調子の悪いリズムがなにかを生かしている。


>ロープ

墜ちた命を止め、また、急激に墜ちないようにし、
命の希望を繋ぎ止める、そんな道具をロープと呼ぶ。
重力の魔に対抗できる道具、
繋がれた人同士は、これまでとは違った存在になる。
そのことを証明しえないならば、人と人の間は、宇宙のように膨張して、
エントロピーがゼロになるまで離れてしまう。
今は遠く離れた友人にこのことを話せなかったのが残念だ。


>ロープ2

ロープを繋げるにはふたつの資格がいる。
くだらない事故で相手に巻き添えにしないこと。自分は墜ちないという意思をもつこと。最低の条件だ。
一方的な、不可逆的な尊守項目。ある人はこれを「紳士的」と形容している。


>砂漠の雨

渇いてひび割れた荒地が無限に続いている。色を失った太陽がひからびて、
今にも墜ちそうだ。そして、そんなことはどうでもいいと思いながら、
ぼんやり眺めている自分がいる。
風はなく、焼けただれた匂いがかすかにして、静かだ。

それらは十把一絡げに砂漠と言われる。
倒れてみる、荒地の砂の粒子が頬に触れて心地いい。
砂地の色が黒く変わっていく。雨だ。
風が吹き、声がする。

この夢を見て目覚めてから、自分のなかで何かが確実に変わった。
意識できないところで、なにかが動いている。

Posted by gont at 04:03

チビットハンマー

>背中のように冷たい星で

夜の空にキーボードを逆さに吊るした

手の届かない光が眼に届く
後ずさりながら放たれた光が
逃げる眼にかろうじて届くのはなぜか
決して出会わないことが約束された
意味をなさない 紅いざわめきが

星の数と同じだけのキー 人を吊るす

星は人を座らせ人は星を座で見る
彼らとの婚姻が彼らを生む
星は人を地平に生みだし人は星に届かずに消える
遠ざかるバックグラウンド

砂の数と同じだけ人は背景に放射された
背中のように冷たい星で

>未来のポップアップメニュー

I have a bit set for me.
I just need one bit from me.
(やぁ、時に君、ちょっといいかい、あのことさ、
 どっちなんだい、すぐに答えてほしいんだ)

西暦2000年00時00分00秒に騒ぎだす前に
ゴッホの耳がささやいた

未来
他者
どっちでもない未来
真偽は追憶の名詞
割り当てられた過去をトグル
保つために混乱する

君のアドレスに未来の耳たぶを

>架線ゴーレム

方位時針がぐるぐるとまわり未来が近づいた
夢のなかでがりがりと関数計算された言葉たちは
レゴでピラミッドをつくった
墓室には不法投棄された言葉のミイラが安置されている
近づけば近づくほど ピラミッドは巨大になり
崩れ落ちたレゴが太陽風に吹かれて舞っていた
そこは自由電子の砂漠

叫びが轟いた
架線ゴーレムが墓室から浮上する

真偽地図を踏み越えて
沈黙地平線に碇を接続し
意味の始点は波うち

架線に綱引く 無名のレゴたちをひきずったまま
漆黒に どう と 倒れる とき

方位時針は君をさす


>プログラマブル台場少年

暗室試写について<

 映写機は宣言された
  もし 25から28までなら
  繰り返し撮影する
 
   25コマ眼 銀塩台に立つ
   26コマ眼 義眼 主語を着る
   27コマ眼 破り撮られる太陽
   28コマ眼 億千万の瞳哭が閉じる
  
  そうでなければ
  映写機を閉じる
 繰り返し
 
 24コマ眼に
 25コマ眼のナイフが西から昇るとき
 
 映写機に宣言する
  もし 26に義眼の術語がなければ

  映写機を東の太陽に開いておのおのにして
 
   26コマ眼 黄金の時に輝く
   27コマ眼 銀塩の柱に億千万の裸眼 咲く

  1コマ眼をナイフに移植する
 映写機を名称未設定にする
以上


>夜間鉄塔2____初めて終わり、始まる日に

言いたいことは言い得ただろうか
言い得ぬことは言い得なかっただろうか

怒りの曼陀羅は肩口から軋む
寂れた遊園地の観覧車のように
始発も終電もなく廻り続ける
偽造されたイドラの加速器から撃たれた影が
一張羅のアインシュタインの背広を裂く
螺旋痕跡群分割式は不等号で契られている

なにも始まらないし終わらない日が
また始まり、終わるまでの時間
ベージュ色の血で描く盲目の意味は
私たちの原子を砕いて渦巻く

メールシュトロームの夜間鉄塔に歩哨がひとり
針のように立つ

あなたが遠くへいってしまう日
私たちは戻ってくる
なにもかも始まりすべてが終わる日が、
初めて終わり、始まる日
私は鮮血の光となって歩哨を撃ち抜く

>畑星探査行

小さな足跡が数分で埋もれてしまう風に向かって
どこに続いているのかわからない畑は
火星の干涸びた運河の堤防
終わった命たちを土に返している
冬終わる雑木林の西の向こうへと続く畑は作物もなく
乾いた土は巻きあがって地平線は30度まで朱い
遺跡調査部会が確認したこの街の縄文遺跡分布図に
マークされていない遺跡に
越えていく台地の上に
縄文土器の破片が今日に限って散らばる
午後 曇天 ビニール袋はポケットに五枚あって
まっすぐ下を向いて歩く目のまわり 鼻の穴 口のまわりに
黒い意識は集まり 風が人を人の終わりへと
吹き流そうとする まえに
足を交互に前に置き 自分の影をたなびかせて
関節を凍らせてもなお立ち止まり
ここにはないはずの石を拾っては捨て
人は夕暮れがきたのに気がつかない

>畑星探査行-2

コンクリートデザートのひび割れた赤土に砂走り
唸る送電鉄塔下の風紋を崩して時の地平線に近づく
小さなつむじ風の向こうに 直観が先まわりする
古い時代の嗅覚が獣脂の焼ける臭いをかぎわけた
ここになければ どこにもない
そういう場所に 引き裂かれた時の破片は
5000回目の冬に 誰かを私にさせようとする

風は止まる 時もまた
夏のような氷雲が群れ集まり
鈍色の赤光をこだまさせ いずれくるだろう

目を閉じて50歩 足元に触れる
風を抜かれたささやかな欠片たち
人となるまえの 人のあとのかたちに
人となるまえの 人のあとの心が溶ける

繊維質の健康でもろい土器片は
耕耘機の刃先で新しい紋様を刻まれている
それがためにいずれ形を失う7000年の積分は
自宅の押し入れに眠っている
西方の谷を越えた台地には
1000年のニアミスで出会わなかった兄弟がいる

膝で歩くと見える 時のしじまが
ねじれた暗黒を包含するガラス片
人によって運ばれた火山の痕跡は西北からきた
虹色の爪のかけらは北の海辺からきた
私にはわかる この地がどこにつながってきたのかが

膝は知る 知らない紋様を
荒々しいアルミ酸化物に押されたささやかな縄の回転線は
人の生から切り離された沈黙に話しかけている
ありえないことはありえなかったという秘密は検証され
東へと散らばる沸騰点が近代的なビニール袋に回収された

どこにいるかわからないがいついたのかを教える
火山の痕跡の形はどこか そう問うとき
凍ったブリキの 気絶した磁気が
砂の雨を降らせはじめた

>春先のコーヒー

ファスト・フードのコーヒーを飲んだ

右隣のネクタイはアタマを抱えている
左隣のスーツはなんどもなんども
電卓を叩いては溜息をついている
右隣のネクタイは営業ツールの
パンフレットをバラバラとめくり始めた
左隣のスーツはタバコを
バカバカ吸って目をつぶっている

アタマを抱えて電卓叩いてパンフレットを開いて
タバコを吸って目をつぶって
気がついたら2000年になっていて 同じ味で

小型携帯コンロで湯を沸かして
雪洞の中はロウソクでほのかに明るくて
眼鏡が曇って
インスタントのコーヒーで春を迎えたい

それはうまいのか

Posted by gont at 03:56