山岳走─雲取山@奥多摩
2004年5月4日 JR奥多摩駅〜石尾根〜雲取山(往復) 9時間30分・40km程度
山道を全力で走ってみた。昔風に言えばカモシカ山行、今風に言えば山岳走、トレイルラン、マラニックなどと言うらしい。
GWは毎年仕事で動けないことが多いのだけど、今年はなんとか時間ができた。自分の体力・速度がどれくらい復活したのか確かめるためと、夏の富士山マラソンのトレーニングのために、山を走ることにした。
オッサンでも昔の高校山岳部時代のように山を走れるかな? という動機もある。実に単純でアホだと思う。だって、実際は、無茶苦茶疲れるだけなんだから(笑)。自分の限界、全力を使って、走れるだけ走る(登る)をやって、無茶苦茶疲れてみたいだけなのだった。
5月4日の東京は低気圧の接近で午後から雨、前日の天気予報を聞いて「午前中に登って早めに降りてくればいい」と思い、早朝、JR奥多摩駅にいちばん早く着く電車に乗って出かけた。JR奥多摩駅着06時。荒天を予想してか、電車はガラガラ、いや、ゴールデンウィークに奥多摩の山なんかには人は来ないんだろう。
駅前の橋を渡ればすぐに石尾根の登りとなる。もしかして、石尾根を登ろうなんて人間はオレだけか? どうやらそうらしい……みんなバスターミナルへ行ってしまった。
空模様が怪しい。大雨につかまりたくない。急げ。神社を通ってひたすら登山道を登る。さすがに走って登れない。早歩き。少しでも傾斜がなくなれば走る。30分ぐらい登って身体をアイドリングし、水500mlと食料のパンをほおばる。登りにはエネルギーが必要だ。最初の補給が肝心。息は最初から最後までゼーゼー状態で、可能な限り酸素を取り込むことに専念しつつ、エネルギーを切らさないため、飴を口に入れておく。
2時間の急登で稜線に出てからは、傾斜があまりなくなり、水平道も多くなったので、ほんとうに「走る」。登りは稜線沿いにあるすべてのピークを踏んで行くことにする。約1時間毎に10分程度の休みを入れて、水分と燃料を補給する。ほとんど人に会わない。半ズボンにジョギング靴で走ってるのはオレだけ。風強く、低く雲が流れ、目指す雲取山が近づくにつれて霧雨混じりとなる。
登り5時間でガスの中の雲取山頂上着。誰もいない。雲取山には過去3回登っているんだけど、いちばん静かな山頂だ。寒いし、疲れたし、雨も強くなりそうだったのですぐに降りることにする。
下りは尾根筋のピークを踏まず巻道を行く。下れば下るほど、筋肉痛がひどくなり、走る速度も落ちてくる。「まだ○○に着かないのか?」という気分、時計に付いた高度計を見れば、まだまだ下りがある。特に、最初にダッシュで登った1000mの高度差部分が膝を直撃、膝が笑ってまともに降りられない。登り5時間だから下りは3時間ぐらいかと思い、休みは一回だけにしたが、とても3時間では降りられないことがわかる。ラスト1時間は膝をかばいながらソロソロと降り、呼吸も苦しくて仕方なかった。結局、4時間半かけてJR奥多摩駅に帰り着いたときはフラフラだった。
風呂に入ってビールでも飲みたかったが、帰ってゆっくり休みたい。帰りの電車のアナウンスにせかされてトイレでさっさと着替え、顔を洗い、ジュースを買って一気に飲み干し、帰途についた。
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▲始発下りの電車、武蔵小金井駅
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▲ザックと地図、電車の中で
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▲六ッ石山山頂にて。家族連れが1パーティ
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▲鷹ノ巣山山頂から。空模様が怪しい
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▲鷹ノ巣山山頂から
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▲七ッ石山山頂
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▲七ッ石山山頂から。稜線の道は走りやすい
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▲七ッ石山山頂から。時々、陽が射す
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▲雲取山山頂。3県の境界(三角点はもう少し北にある)
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▲雲取山山頂の避難小屋。犬が一匹、外に繋がれているから、中に人がいるようだ
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▲雲取山山頂のゴント。まだ息が上がっていてヒドイ顔(もともと)
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〈コースタイム〉
06:10 JR奥多摩駅 出発
08:00−08:05 六ッ石山山頂
09:00−09:10 鷹ノ巣山山頂
10:00−10:05 七ッ石山山頂
11:10−11:20 雲取山山頂
13:10−13:20 鷹ノ巣山避難小屋
15:40 JR奥多摩駅 着
〈水〉
ポカリスエット 1000ml(800mlだけ飲んだ)
緑茶 500ml(ザックの中で振られると味がひどく不味くなる)
〈食料〉
ミニパン(クリーム)4個(登りですべて消費)
ミニパン(ソーセージ)2個(雲取山頂上で1個、下りで1個)
アミノバイタル ゼリー1個(頂上で消費)
バナナ 1本(登りで消費)
アメ 10個(登り下り半々)
〈気温〉20℃前後 湿度高
〈装備〉普通のランニング用の靴、稜線に出て雲取山が近い所で防風ヤッケを着たが蒸れた
〈感想の続き・オッサンの鬼足今昔〉
オッサンになってくると、身体を動かすのがシンドクなって、急に太ってくる。昨夏は体重が80kg近くまで増えてしまい、3kmも走れなくなっていた。これではいけないと思い、その後、水泳やジョギングを始めて、市民マラソンなどに出るようになり、現在の体重は61kgになって身体が動くようになった。それで、今回、山岳走をやってみて、勝手に復活の狼煙を上げてみた。
昔の話しになるけど、高校生の時、「カモシカ山行」に憧れた時期があった。関東にある高校の山岳部学生で体力がある者なら、黒戸尾根〜甲斐駒ヶ岳日帰り山行、南八ヶ岳〜小淵沢日帰り山行といった「カモシカ山行」が視野に入ってきて、地図を眺めながら自分なりのルートを考え、時間を計算したりする。「カモシカ山行」より古い表現ならば「鬼足」だ。どれだけコースタイムを縮められるか、そんなことに熱中する。けれど、それがどうしたというのだろう。山が与えてくれる事柄を無視して時間や速度にこだわるのは、どこか間違っているような気もして、次第にそういう「タイムトライアル」には興味を失う。自分の場合は、誰も登ったことのない、探険的・冒険的な山登りに興味が移っていき、山を走ること自体には興味をなくしていた。
ヒマラヤを目指すようなアルパイン・クライマーなら、落石や雪崩のある危険地帯から逃れるため、全力で山を駆け抜ける体力が必要で、山を走るトレーニングをよくやっている。ヒマラヤまでは行かずとも、アルパインや冬山をやるようなオッサンなら、総合的に強い体力がある。社会人山岳会に一時期入っていた頃、先輩たちは、人知れずランニングのトレーニングをしていた。毎日、どのくらいの距離を走ったか、それを記録につけて、達成の目安にしていた。当時は自分も、夜遅く会社から帰ってきてもジョギングするなどしていたが、山岳会を辞め、仕事も変わってからは、山からも、トレーニングからも遠ざかっていた。
昨夏から復活したトレーニングのおかげで、先祖返りしたような気分になった。つまり、なりふり構わず登山道をぶっ飛ばしてみたい、高校山岳部時代のように、という……。
今回、実際にやってみて、オッサンの膝では、登りも下りもほぼ同じ時間がかかることがわかった。左膝がダメだった。高校生のとき、丹沢の大倉尾根の下りで中学陸上部出身の同期と競争し、思いっきり派手に転んで左膝を痛めていて、これは治らない。それと、持久力が30kmぐらいしかもたない、ということ。30kmという距離は、平地のジョギングでも足がヘタってくる距離なので、ここが一つのポイントなんだな、と思った。
あとでネットで調べたら、雲取山ではかつて、「雲取山タイムトライアル」という山のマラソンがあったらしい。登りのルートは鴨沢から。また、山岳走の記録のページなども見たけれど、少しぐらいの登りならばホントに走ってるみたいだし、下りは本気でぶっ飛ばしてる、いやはや、すごいもんです。んで、目標は「山岳耐久マラソン(長谷川カップ)」だそうで。うーん、やってみるか? でも距離が70kmもあるなんて……ちと無理か……
奥多摩の地図を見ていたら、こんなこともできそうだ
・日原川外輪山稜周遊走
奥多摩駅→石尾根→雲取山→長沢背稜→三ツドッケ→川苔山→本仁田山→奥多摩駅
を1日で走破
Posted by gont at 2004年05月05日 18:26
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Awesome stuff! Thanks for all the information. black girls on their mission: http://www.yahoo.co.uk , substances that cure you , substances that cure you
Posted by: Trevor Ford at 2005年11月05日 11:30