初秋の八ヶ岳西岳・権現岳

9月の連休の八ヶ岳でしたが、登りは静かな西岳でした。

権現-三ツ頭の稜線から権現・赤岳を振り返る

権現・赤岳を振り返る



今年の夏山が不発だったので、秋山に行くことにした。
午後発一泊二日で帰りが遅くならない、標高2500m以上の山、そして、できれば静かな山。

検討した結果、八ヶ岳の西岳・権現岳に。
西岳までの登りは静かだし、そこから青年小屋までは苔むした小径が続く。
権現岳はアルペンの雰囲気が味わえる。
下山後の駅から歩いて2分のところにスーパー銭湯がある。

初秋がじんわり染みわたる秋山ハイキングでした。

山行名

八ヶ岳西岳・権現岳

日 程

2010年9月19日-20日(午後発一泊)

山 域

八ヶ岳

ルート・行 程・概要

1日目

茅野に夕方着 →(バス)→ 樅の湯で風呂 →原村ペンション(素泊)

2日目

04:40 原村ペンション
   (立場大橋まで鉢巻道路を降りる)
06:00 立場川キャンプ場ゲート
07:15 千枚岩
09:00 西岳
09:50 青年小屋
11:00 権現岳(休憩20分)
12:10 三ッ頭
12:30 前三ッ頭
13:47 天女山
14:07 八ヶ岳倶楽部バス停
(バス14:27)
パノラマの湯 → 甲斐大泉駅 → 帰宅

西岳の登りは我々のパーティだけで静かな初秋の山を楽しめた。

なお、今回のスケジュールは、市販の地図のコースタイムに休憩時間も含めている。
権現岳からの下りについては、かなり早く下ることができて、1時間前のバスに乗れた。
これで「パノラマの湯」にゆっくりつかって帰ることができた。
ちなみに3連休の最終日の夕方は混むと思って、帰りは特急の指定席をとっておいて正解だった。

行動メモ

1日目

午後発で茅野に向かう。この電車が駅からタクシーを使わないで済む最終。
駅前の食料品店で明日の行動食のパンを買い、飲食店で簡単に夕飯を済ませ、原村行きの最終バスに乗る。
樅の木荘前で下車、スーパー銭湯の樅の湯に入る。

あがったら、ペンションまでの道をヘッドランプ点灯して歩く。
10分ちょっとでペンションにチェックイン。
事前に村の地図を持っていないと、夜は迷いやすい。
電話で事前に予約したこのペンション、素泊で3100円(2010年秋現在)。
赤岳鉱泉のテント泊でも1000円とられることを考えると……たまにはこういう山行もあっていいかな、と。
ネットで検索すると出てくるので探してみてください。
屋根裏部屋風の小さな個室ではあるけれど、充分ですね。
明日の朝5時に出発するので、先払いする。
なお、持ち込みのゴミは自己回収要。
テレビで天気予報を見たところ、日本海から雨雲が近づいていて、信越から東北にかけてかかっている。これは雨降りを覚悟しなければ。

23時までお風呂もあったが、入らずに就寝
(素泊で風呂無しかと思ったが、利用できたようだ)。

*今回、山麓のテント泊以外にも、格安のビジネスホテル、ペンション、ユースホステルなど、今まで視野になかった宿泊手段を検討してみた(それを考えるのが普通なのかもしれないが、自分はテント泊、または駅ビバークなどが普通だと思っていたので)。小淵沢駅前の5000円以下のビジネスホテルに泊まって早朝にスタートする案も考えていた。これも検索すると出てくるが、驚くべき価格で泊まれる宿がある。ただ、安い分、予約もすぐに埋まってしまう。早めに日程を決めて予約する必要がある……。

2日目

ぐっすり眠れた。
朝、4時40分にスタート。
まだ夜が明けていないので、ヘッドランプ。
西岳へのアップローチは、舟山十字路経由ではなく、鉢巻道路を下って、立場川大橋を渡って登山道に入ることにする。

30分ぐらい遠回りになりそうだが、安全第一。
舟山十字路経由で西岳に向かう場合、広河原沢を渡って対岸を逆方向に巻いて上っているが、市販の地図では破線になっているし、まだ夜が明け切らない状態でこのルートを行くのはよくないと感じた(一人なら行っていたかもしれないが、沢沿いでは明るくなるのも遅くなるので、時間待ちしただろう)。
道路を歩いているうちに夜が明けた。
車の交通量も急に増えてきた頃、立場大橋を渡る。
渡り切ったT字路で左折し、立場川キャンプ場に向かう。
左の道は少し細い、ここには西岳を指示する標識はないので、橋を渡ったらすぐ。
市の運営するキャンプ場は有料。
30組ぐらいがテント泊をしている。もちろん全員、オートキャンプだろうし、それと同じだけ車も置いてある。
今回、もう少し情報が手に入っていたら、ここでテント泊したかもしれない。
ネットで検索すると、もっと荒れた場所かと思ったが、静かで心地よい場所に思えた。
管理人小屋を過ぎてしばらく行くと車止めゲートがある。

その手前、20mぐらいの地点に、「信玄の棒道」と書かれた標識と右の尾根への小径がついている。
これが西岳へのコースなのだが、西岳とは書かれていない。
ここを起点に登る人はほとんどいないのだろう。
川の崖をジグザグに登ると、防火帯風に切り開かれた水平道に出る。
これをしばらく行ったのち、左折して、西岳に向かう登山道に入る。
曇天。天気が思わしくない。

あとは市販の地図通りに登っていくだけ。
傾斜の緩い樹林の登り坂の一本道が続いていく。
唐松の落ち葉でとても歩きやすい、そして、美しい道だ。
登りもいいが、ここを新緑の頃にトレイルランで下ったら、さぞかし、楽しいだろう。
これほどよい道なのに、誰にも逢わない。
熊が出るかもしれないので、このあたりから、熊鈴を付ける。

登山道はゆっくりだが、傾斜を増していく。
火山の裾野は、自然の摂理で、勾配が増していく。数学的だ。
そのうち、ずっと一本調子の登り坂で単調さを感じるようになる。
登山道を横切る林道に引っ張られて、途中で登山道をはずれて、林道を登る箇所がある。自分たちはその林道沿いにジグザクに登ってしまったので、わずかに時間をロスしたけれど、迷うことはない。

広河原からの道と合流して、ここから稜線がはっきりし、傾斜も増してくる。
ポツリポツリと小雨が降り始めるが、雨具を着るほどでもない。
高度が上がって稜線らしくなり風が当たるようになってきた。
阿弥陀や赤岳が左に水平に見えてくるようになると、頂上も近い。
約4時間で西岳着。頂上には、別ルートから上がってきたらしい1パーティが先にいた。
よい展望だ。南アルプスは下半分が雲で隠れているものの、上の稜線が見えている。そのうえにさらに高い雲の層がまばらにあるという天気。雨は降らず。むしろ「曇りときどき晴れ」という天気だ。標高の高い山のほうが天気がよいのかもしれない。

青年小屋への源治新道はほとんどアップダウンなく行ける。ここはトレランにもよい。

登山者とすれ違うようになる。
ザックには4リットルの水があるので、乙女の水場は素通りしてそのまま小屋へ。

主稜線はさすがに人が多い。
小屋前でコンロを出して、カップラーメンでも作って食べるのも悪くないなぁ、なんて思いつつ、先を急ぐ。
小屋の100円トイレを貸してもらい、わずかに休んでから権現へ。

鎖場はあるものの、ギボシのトラバースは容易。

権現小屋は素通りして権現岳頂上へ。

そのまま少し先にいった尾根で大休憩。
ガスコンロでお湯を沸かし珈琲を二杯飲む。
コンデンスミルクで甘くしたのは正解だった。

時間があまりないので、さっさと撤収して下山開始。

権現-三ツ頭の稜線から権現・赤岳を振り返る

途中、トレランで登ってくる外国人と日本人の二人組と擦れ違う。
けっこう早い。
佐久側の登山道も、頂上付近は傾斜が急だが、降りるに従って傾斜がなくなり、裾野が緩く広く感じられる。
けっこうなペースで下っていたが、さらに後ろから熊鈴の大きな音が近づいてくる。
トレイルランナーが猛スピードで駆け下っていった。膝が強そうだ。
こちらも調子よく下ることができる。トレラン向きの傾斜になってきた。

ほどなく天女山手前の丘に着き、さらに駐車場、天女山と通過。

途中で、1時間前のバスに間に合うとわかったので、速度を緩めずに降りていく。
道路に出て、5分ぐらいすると、「八ヶ岳倶楽部」というバス停。間に合った。

バスは3分ほどで小海線の甲斐小泉駅のすぐ近くにある「パノラマ湯」バス停着。

ここで降りて汗を流し、ご飯を食べて、夕方には列車に乗って帰宅した。


雨と装備問題で流れた夏の流星観望登山のリカバリーができてよかった。
権現岳頂上で飲んだ珈琲は「うまい!」の一言に尽きる。

このルートはオススメだし、また機会があれば若干バリエーションを変えて来てみたい。

相棒は一週間に一回は6kmのランニングを続けていて、脚力は維持している、というか向上している。
本人は夜間に山のなかを一人で行動するなんて嫌いだということだけど、ハセツネにも通用しそうだ。

といいつつ、かなり強い筋肉痛にはなっていますが……(^_^;

今回の山行は自分の対ハセツネのトレーニングも含んでいる。
登りに強くなるには、ともかく登ることだ(^^)/
前々日に、強度の高い坂ダッシュを入れた20km走を行い、足に負荷をかけておいた。
一日休んで、この山行で少し荷物を担いで負荷をかけた。
これで少しはマシになったかも。

近い将来、小淵沢から女神茶屋までの全山縦走を試してみたい。
もちろん、ワンデイのカモシカ山行。
そのためには、現在よりも強くて早い足がいる。
計算してみたら、自分の足では時間がかかりすぎてしまう。
あともう少し早く、耐久力があれば……こなせるはずだ。
練習しよう、そう思った。

初秋の八ヶ岳西岳・権現岳」への2件のフィードバック

  1. きとちゃん

    相変わらず頑張っていますね。
    のぼりを強くするためには、とにかく登ることは
    同感します。
    ハセツネに向けて、トレーニングを積んでください。

  2. admin 投稿作成者

    ありがとうございます。
    追い込んだトレーニングはもう時間的に難しいので、
    故障しないように整えていきたいと思います。

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