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ゴントの書類綴
<<石の神 臍の緒を切る>> |
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引っ越し先の事務所の壁紙を貼り替えた。天井の貼り替えがとても大変だった。脚立の上で身を反らして、とんでもない姿勢を強いられるのだった。辛い。苦しい。北朝鮮兵士が金日正体制を維持するために「マンセーぇええ」する姿勢と同じように、両手を天に掲げて掌をバタバタさせなければならない。北朝鮮の兵士はかわいそうだな、と心底思った。
なにぶん、内装に金をかけられない。雨漏りの心配がある古い屋根の一部補修を業者にお願いしたので、内装は自力でやらなければならない。なんとかなるでしょ、と始めた壁紙貼りは、左右の壁は問題なくできたのだけど、天井が本当に大変な作業になってしまった。
まず、DIYショップに行って、「糊付き壁紙 剥がして貼るだけ 超簡単」のような商品名の壁紙を10m2本、5m2本購入。それに脚立も必要なので購入。壁紙は60リットルザックに無理矢理タテに詰め込んで背負い、脚立は肩にかけて、引っ越し先まで持っていった。けっこう重い。迫撃砲?を持って戦場を移動する兵士のような気分だ。紙は軽いものではなく重いものだ、糊が付いていればなおのこと。しかも5月だというのに、なんだ、この暑さは……到着。天井の照明器具をはずして、壁紙を剥がしておく。ペリィイイと剥がせれば楽だが、実際は、細切れになって残り、なかなか剥がせなくて時間がかかる。
左右の壁は問題なく貼れた。垂線に気を付けて、はみ出した部分はカッターで切り取る。次は天井。壁紙を一畳分切り、糊の保護シートを剥がして露出、糊の付いた面を反対にし、マントを被るように壁紙を背中に垂らして両手に持ち、脚立に乗る。ベールを被った雪女のようだ。
脚立の上に立ったら、壁紙を頭の上に引き寄せて乗せて、両手を天井に押しつける。粘着力があればそのままくっつくから、あとは手を離して、残りの2点を引っ張って貼ればいいのだが、水っぽい糊なので吸着力が弱く、そうはいかない。手で持った2点を天井に押しつけてもくっつかないのだ。どこが「超簡単」だ! それで背伸びをして頭を「物理的に」使って壁紙を天井に押しつけ、壁紙に一瞬の無重力状態を作りだして、一気に「マンセーぇええ」+「平泳ぎ」掌運動を必死に行い、壁紙の面を一気に天井に押しつける。これでうまくいけば、天井に壁紙がくっつく。脚立を降りて、状況を確認すると、曲がっている! で、やり直し。力を入れて曲がりを直そうとすると、壁紙の角が切れてしまう。うーむ、これは大変なことになったぞ。
天井を向いて身体を反らしているし、手を心臓よりも高い位置に置いてやっているので、次第に疲れてくる。何度もやり直すのだけど、うまくいかない。それで、一畳を一気に貼るのを諦め、半畳分に切ってなんとか成功。
(岩登りをやる人なら、次のような表現でわかると思う。屋根オーバーハングの下で、次のボルトにアブミをかけようとしたら、ボルトが遠い。届くのか? カラビナがなかなか掛からない。反り返って作業をしているので、そのうち手や首が疲れてきて、ウーッ! なんじゃこりゃああ! こんちくしょうぉ!! となってしまう、そんな真夏の日の汗ダクダク岩登り状態)
そんなこんなで、壁紙を貼り終わって照明器具等を付け直したら夕方になっていた。あとで考えれば、ベニヤ板に壁紙を乗っけて、それを天井に押しつければよかったのかもしれない。やはり素人は素人なわけで、内装のプロの仕事はたいしたもんだな、と思う。なんにせよ、終わってよかった。次は……台所、そして屋根のペンキ塗りが待っている。