「淋しくて眠れない」(「メガゾーン23」のED、歌:タケウチユカ)
たまーにですが、衝動的に聴きたくなる曲。夏が感じられると「淋しくて眠れない」というアニソンが聴きたくなる。80年代のロボットアニメOVA「メガゾーン23」のEDの曲。ストーリーはアレゲですが……。「あの曲のタイトルなんだったっけ?」としばらく忘れていたので、検索して、思い出した。
アニメの内容はうろ覚え、東京という都市が宇宙船の中にあって……みんな知らないで生活していて……この曲を聴くと、アニメのストーリーよりも、80年代当時の記憶が音とともに引き出されてくる。友人と車でデコボコの林道の長旅をしたときの暑い風の感じだったり、田舎の避暑地の旅館でバイトしてる時の休憩時間のタコ部屋の様子だとかが、音とともに、ゆっくりと覚醒する。
そう、あれは確かに、夏だった!
それで、「淋しくて眠れない」という曲について、ネットでどう思われているのか、検索してみる。
□まず、その曲はどういう曲なのか。
「メガゾーン23」ヴォーカル・コレクション [Soundtrack]/Amazon
メガゾーン23音楽資料室
80年代ど真ん中ですから、 LPやTAPEの時代の曲なんです。
□曲の評
2005/5/6「淋しくて眠れない」
「で、最後、主人公の省吾がボコボコにされて
流れ出してくる「淋しくて眠れない」は絶妙です!!
渋谷の高架線?が段々と遠くなっていくラストは(゜∀゜)!イイっす。」
ストーリーはいわゆる、青春の蹉跌なんですね。若さゆえに敗北するけれど、それゆえに、夜が明ける、という。
メガゾーン23(Wikipedia)
「劇中の台詞にある「今が一番いい時代」の平和な日本が」
曲とはちょっとズレルけど、劇中の台詞にひっかかったので、滞留してみる。
「今が一番いい時代」という台詞はじわりじわりと効いてくる。複数の意味が重なっているから。まず、劇中で「今が一番いい時代」と言えるのは、過去・未来の時制を知っているから言える話で、そのように超歴史的に俯瞰するような台詞が出るのは、都市を維持するコンピュータ「バハムート」からの視点だし、監督・脚本家の視点がストレートに反映されている。
次に、当時の自分としては「今が一番いい時代」と語られることに、違和感があった。単純に「青春の時がいちばんいい時代」という言い方があるけど、そのようには思えないフシがあった。今が一番いいんだって? 冗談じゃない! 当時はガキの疾風怒濤の苦しみにのたうちまわるようだった、決して戻りたくない! お気楽のようでいて、実は辛いものだ、若い時って。バブルの恩恵なんて受けてなかったし。
80年代当時の日本は、戦後の冷戦の枠組みのエアポケットになり、憲法で非戦を謳い、外部の戦争状態から干渉されることがなかった、あったとしても、肩代わりされていた。ゆえに、日本そのものが架空の都市、架空の平和だったのかもしれない。『トゥルーマン・ショー』のように、架空の街のなかで暮らせることはほんとうに幸せなのか。80年代も、そして90年代も空っぽだった、なんて言い方もあるけど、その空虚感のなかに、オタクの消費文化が花開いたともいえるわけで、仮想現実を仮想として表現できる戦争のない時代の戦争アニメを観ていられるほうが幸せなのか、とかね。このあたりの問題意識について地味に表現していたのは当時、子ども向けのアニメーションだった、当時のすべてのアニメーションの通奏低音でしたね。王様は裸だ! と、大人に向かって表現してしまうと、スポイルされてしまうけど、子どもに向けて言えば、冗談で済むわけです。ゆえに、バンダイのオモチャを売るように見せかけて、すごくポリティカルな内容を扱っていたアニメーションも多かった。それがあとに、オウムの問題へとの繋がっていくと思うのだけど、そういった意味をすべて含めて、「今が一番いい時代」と言い切れるのなら、そうに違いないし、幸せなのかもしれない。
むしろ、今こそ、ほんとうに問われるべきかも、「今が一番いい時代」か? と。
メガゾーン23
「追記1・だけどメガゾーンは、そのシリーズを通して音楽はなかなか良いと思います。特にこの一作目のエンディング(「淋しくて眠れない」)は大好きです。」
作品自体の評価は最低の「E」ランク(死んでほしい)なんですけど、音楽は評価されてます(^^ゞ 作品を今観れば…おそらくは…全身掻痒感に包まれるでしょう(^^ゞ
_Vol.1151 2001/01/02
_メガゾーン23
だーーーーーーーー!! ゥ 矢作省吾
「ボロボロになった矢作省吾が歩く人気のない渋谷の情景にトドメを刺される。このラストシーンは、空気の匂いまで感じさせられる。そこに被ってくるタケウチユカの歌うED「淋しくて眠れない」がその空気感にシンクロして込み上げてくるものがある」
評のその通り。タケウチユカのハスキーだけど素直で伸びのあるボーカルが、朝焼けの都市の路上の、切ないエンディングを記憶させている。「ギムレットォォオ」なんて低音の「ォォオ」の発音がしっかりしていて心地よい。このタケウチユカの声の質が、記憶のトリガーな気がするのだった。曲・編曲は鷺巣詩郎、メロディラインがきれいですよね。ところで、歌詞を改めて読むと、意味不明なイメージの羅列だったりして。「ギムレット」とか「カフェバー」とか、時代がモロに表れている。惜しげもなく、恥ずかしげもなく時代に染まり表出する、それがノスタルジーの素なのかもしれない。
遙か色に染まって
「あれから20年かかってやっと見つけた曲は
メガゾーン23のEDで「淋しくて眠れない」というタイトルの曲で
ネットで調べてみると、この曲が好きだって言う人がたくさんいた
すごくうれしかった・・・」
素直な評。この曲がよいと思っている人って多いみたいです。
嗚咽その3
出典:a href="http://human.2ch.net/test/read.cgi/middle/1025269753/
「今度は「メガゾーン23」のメドレー。テープ終了間際に宮里久美の「風のララバイ」が
流れて、その次にタケウチユカの「淋しくて眠れない」が流れたあたりで、
どういうわけか滂沱の泪が……。」
今回、探してみてもっとも秀逸だった「淋しくて眠れない」の記憶。
ところで、「タケウチユカ」というボーカリストは、この一曲しか知られていない。
いったい誰なんだ? ということで調べていくと、「坪倉唯子ではないか?」と質問をネットに投げている人がいた。このネタ元は2chで、ウラがとれていないようだ。名前にアナグラムが使われているわけでもないし。で、ちょっと「坪倉唯子」について調べてみると。
- ポプコン全国大会第21回と第22回(入選)に出場
(第21回グランプリは伊藤敏博と、第22回アラジン)
- 「ちびまるこちゃん」の主題歌、「踊るポンポコリン」のBBクイーンズの女性ボーカル
- 中島みゆきさんのバックボーカリスト
- テレビアニメ「きまぐれオレンジ☆ロード」(制作NTV/スタジオぴえろ)の挿入歌、OVAでは主題歌「チューズ・ミー」も歌う
- 福山雅治「桜坂」にもバックで参加している
- 吉田拓郎のツアーに2006年も参加らしい
坪倉唯子さん情報参照URL:
森川美穂BBS
ヤマハのポプコン情報一覧
私的音楽日記
2006/4/16「やさしく歌って」日本のロック
「ポプコンでボーカル部門地区優勝してたりと、歌い手としての実力は有る」
ちなみに、アーティストとしての評価をしているのはココだけか。いや、アニソン以外では他に音楽評ページがほとんどないし……知る人ぞ知るだからいいのかな。
作品リスト
<坪倉唯子(つぼくら・ゆいこ)>
「本格的なソウルシンガーとして知られる存在」
アルバムタイトルと収録曲のほとんどが網羅されている。
ともあれ、「タケウチユカ=坪倉唯子」説を検証する方法は一つ、聴き比べればいいだけ、
ダアァーーーーッ!(c)矢作省吾
いずれ聴いてみたいと思います。
Posted by gont at 2006年05月23日 22:11
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