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浅草寺の「ほおずき市」は7月9日夕から10日。江戸時代は「赤いとうもろこし」が売られていた、とラジオで紹介されていた。「赤いとうもろこし」? 不思議だな。それでちょっと検索すると、
「赤いとうもろこし」は、雷から守ってくれるもの。 「地震雷火事親父」といわれるほど、恐れられていた雷。 江戸の庶民は、天井の桟に挟んで、雷除けをしたのでした。 しかし、不作の年に「赤いとうもろこし」が収穫できなかったことから「ほおずき」が売られるようになり、現在に至っています。メールマガジン[和の心]Vol.133 2005.7.13(まぐまぐ)
http://blog.mag2.com/m/log/0000103224/106200757?page=1 のキャッシュ
と、出た。アヤシイ。この話しの背景には、きっと何かある。縁起にまつわる話しには、太古の習俗や記憶が滲み出ている。キーワードは「とうもろこし」「赤い」「火」「雷」。
紹介したメールマガジンには、まず、「ほおずき」の歴史が書かれている。簡単に要約すれば、原産地は南米アンデス地方、古代インカ帝国でも使われていた薬草とのこと。原産地が南米ならば、とうもろこし(コーン)だって同じだ。とうもろこしはコロンブスが新大陸を「発見」したときに同じく「発見」され、持ち帰られて欧州に広まった、と言われている。それで日本にもやってきたそうな。
日本にとうもろこしが入ってきたのは天正年間、ポルトガル人が長崎・出島に持ってきた舶来品なのだった。これが九州や四国に広まったのだとか。でも、ポルトガル伝来のとうもろこしは「黄」色いもので、「赤」色ではないように思える。日本の赤いとうもろこしは、伝来前から、ほうずきと一緒にあったような気がするのだった。いや、実際には赤い「とうもろこし」ではなくて、赤い「雑穀」として。
検索してみると、日本に古くからある、さまざまな「もろこし」のバリエーションが出てきた。
雑穀栽培日記
写真がとても印象的だ。赤い雑穀は縄文の時代から全世界で栽培され始め、農耕文明を担ったきた植物だとわかる。
ちなみに、とうもろこしの民話・神話を調べると(圧倒的に南米が多いけれど全世界的)、農耕と農耕の道具としての鉄器の登場(そこには火の起源も含まれる)、集落や地域共同体、王の発生と権力、都市の問題へと繋がっているのがわかる。
「ほうずき」「赤いとうもろこし」は、火事や雷、赤い色を通して、太古の人間の記憶を呼び覚ますのだろう。古い時代の人間の農耕とともにあり、人間の共同体・人間の文化文明の集合的な無意識と繋がっていると思う。