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前回のNHKスペシャルで放映された「ワーキングプア」の続編。最初の放映後、NHKにたくさんの投書やファックス、メールがあったそうで、続編が作られた。このブログでも以前に紹介したところ、アクセスがけっこう多かった。人ごととは思えない、と書いた通りだった。
続編を見ていて、人生、順調なときばかりではない、よく考えてみると、そんな人生ってないなー、と。自己が原因で起こったわけではない、偶然の運命によって、置かれてしまう境遇というものがある。
人は、常になんらかの問題を抱えているということだ。事故で怪我をしたり、病気をしたり、会社が倒産したり、離婚や家庭内のトラブル、親の介護、子供の進学や就職・・・そして自らの老い。
こうした問題で生きていけなくなってしまう人々を救うために、人は集まって暮らしているのだ。死なないようにしたい、と、それぞれが思うから、集まって、相互に助け合って生きている。共同体を形成している。それを大きくしたのが国家じゃないのか? 他国からの侵害、侵略を防ぐために機能していて、国民を守っているとしても、その国民の多くが充分に生活できないのでは、意味がないじゃないか。日本は北朝鮮ではない。国家としての機能を果たしていないのであれば、国民自ら、正すという選択肢がある、ということだ。これからの時代、そうした選択肢さえ奪われていくのかもしれないが、そうはさせない。
NHKスペシャルでは、それ以上のことは言っていなかった。まだまだ、踏み込みが足りないと思う。
政府に改善を迫り、改善されなければ、政府を取り替えるのは当然だが、その間、現実問題として、ワーキングプア問題は存在し続け、国民は窮地に陥る。
今やっておくべき対処療法も同時に必要なのだった。
・その間、どのように凌いで生きていくか。
・ワーキングプア問題が、今後、まったく解消されないならば、どのような対処法が考えられるか
・若年層の、ワーキングプアに陥らないための対策
番組を見ていてわかったのは、離婚の問題、病気の問題、老いの問題が、ワーキングプアに繋がってしまうということだった。離婚や老いは仕方がない。改善できるのは、病気の問題だ。これは、生活習慣を変えることができれば、かなり防げる。積極的に身体を動かし、鍛えて、そして積極的に休息することで、老化しない元気な身体と心と脳を維持することが重要になる。
といっても、生きるために忙しく仕事をせざるを得ない人にとって、病気もまた、回避が難しい問題なのかもしれない。
また、外国人労働者を「研修」と称して、実際は搾取労働をさせているという問題。中国人ばかりではない、南米からもたくさん来ている。繊維業だけではない、自動車製造や、建築・建設の末端の現場にいくらでもいる。不法滞在と不当な労働。日本国内で犯罪をやって、捕まるのを恐れて本国に帰ってしまう犯罪者もいる。
日本という国を信じて、夢見てやってきた、まじめな労働者、それを受け入れる中小零細のまじめな企業もあるだろう。彼らの努力や希望は裏切られている。まともなことをやっても、まったく報われない、逆に損をして生きていくことができなくなる、そうなれば、どちらの側も、不正を働くようになる。
(最近「偽善」という言葉を発する人が増えたが、それは、善は不正によって支えられているのではないか、この汚い世の中で善なんて存在しえない、という諦念を反映している。そして、悪を為すのが人間として当然のことだ、と開き直る。偽善者を糾弾するのが善なのか? 悪を是とするのが善なのか? それは単なる悪者じゃないか、と思う)
外国人労働者は今後、大量に日本に押し寄せてくる。日本政府は、見て見ないフリをして、不法に滞在する外国人を、中小零細下請けの企業に斡旋しているようなものだ。大企業の繁栄は、中小企業と外国人労働者の「犯罪行為」によって成り立っている。何か問題が起これれば、トカゲのシッポ切りをすればいい、そういうことなのだろう。
人の幸せとはなんだろう、と考えた日曜の夜だった。
Posted by gont at 2006年12月11日 10:08 | TrackBack