アップルの新型タブレット型コンピュータと電子書籍

アップル タブレット型新製品発売へ 米紙報道 – MSN産経ニュース

あー、来ましたね! そして、来ちゃいましたね……。

追記100106:以下、新しい情報が入るたびに、このページに追記していきます。

日本市場では、既存の既存のドメスティック企業群がiPod-iTuneのときと同じ反応をするんでしょうか (^_^;

AmazonのKindleも日本語完全対応を早めてくるのではないか、と……

追記100106:と、思っていたら、MSやHPが「スレート型PC」を出してくるそうです。これは大乱戦だ。
Microsoft and H.P. To Reveal Slate PC Ahead of Apple
この情報はTwitter:sasakitoshinao のtweetです。

追記100106:いや、大乱戦どころか、もう日本は敗戦してる(過去形)という見方もあります。
ASCII.jp:日本は電子ブック戦争になぜ敗れたのか|池田信夫の「サイバーリバタリアン」.

ここにSonyの端末も加わって、本に関係する市場はエキサイティングです。

Sonyは端末だけの商売をしようとするんではなくて、ビジネスモデルとしてやってほしいなぁ、という希望もあります。製造(著作・編集・制作・出版)・流通・販売、決済システム全体をまるごと立ち上げたうえでの、ビジネスの一部としての「端末」の商売、それぐらいのつもりで。
AppleはもちろんiTuneのようなシステムで来るのだろうけど、わくわくするなー。
そして、市場を席巻するかどうかは、そういうシステムを前提としつつも、魅力的なコンテンツがたくさんあるかどうか、によります。

結局、単なるヒマつぶしの道具でもいいけど、ほんとに読みたい本があるかどうか、ですよね。
徹夜してでも読み続けたい本があるかどうか。

それにしても電子書籍タブレットが来るならば、下敷きみたいな電子書籍ビューアー(ペーパー)も来そうですね。

もちろん、紙の本も雑誌もなくなりません。特定のジャンルでは希少価値が高まるでしょう。全体の市場規模は縮小するとは思いますけれど。

紙の世界で商売してきた方にとっては、電子書籍は商売ガタキだと思っている方が多いようなんですが、違います。最初にデータで読んだ方が、紙の本としても読みたい、残しておきたい、と思う、そういう流れになる。電子書籍を通じて紙の本が生き残る、そう考えてよいと思います。

紙の本は高価だと感じるようになっていきます。
格差のはっきりした社会では、紙の本を買うのも高く感じられる。場所ふさぎですし。
電子書籍は紙の本よりも安く手に入る、ブックオフで探すよりも安く手に入れられる (^_^; ということかもしれません。
また、本を読む時間に見合う価値が紙の本に求められる。
そのコストに見合うだけの価値のある本を読めるならば紙の本を買ってもいいけれど、そうでなければ、つまりノウハウ的な情報であれば、紙の本である必要はないわけです。
短い時間で必要な情報だけが得られればいい。そうしたらまずはネットで無料の情報を探すだろうし、それで見つからなければ電子書籍(雑誌・新聞)、そこにもなければ紙の本、と。

コストを解決するだけでなく、本の文化を楽しむ仕組み・仕掛けが施されていて、使用感が快適であること、これが重要です。
自分の仮想本棚を持てる、本を媒介にしたSNS、新しい人と本との出会い、こうしたすべてのセットがあって、広がっていくことになるでしょう。

電子書籍(新聞・雑誌)は広がるでしょうか、日本で、継続的に、近未来に向けて、ずっと。

関係市場が拡大するかどうか、それは生活スタイルに入り込めるかどうか、つまりは習慣化されるかどうか、です。

もうkindleも来るし、Appleのタブレットも来るわけですから、彼らと仲良くするしかないのかもしれませんが、ある程度、日本独自でやるとするならば、もう産学官すべてで取り組む必要があるんじゃないでしょうかね、一つの企業を応援するわけにもいかないので、図書館や学校をベースにして。

つまり、教育の段階で関われるか、です。

たとえば、学校で紙の教科書やノートがなくなり、ペラペラの見開きの下敷きみたいな電子ビューアー兼ペンタブレットが一枚ある、という時代を経て、電子書籍(雑誌)が生活に入り込む。
教科書も自分のノートもサーバに保管されている。

で、そんな時代が来る、来ると言われていて、いっこうに来なかった理由は船頭多くして船山にも登らず沈没した経緯もあるわけですが ^_^;)、物理的な回線速度の問題が解決され、複雑な決済やDRMが解決されてきて、デジタル・ネイティブ世代が増えて、コストが低くなれば、変わってくるでしょう。

コスト、手間については

・データとしてのドキュメントの汎用性
・紙の印刷・製本のコスト低減
・各家庭での教育投資費用の軽減

なんかが上げられるでしょう。さらには

・デジタル、PCスキルの向上

にも役立つでしょうね。

追記100106:アメリカの教科書会社5社のジョイントベンチャーでは、「もしタブレット型PC教科書があるならば」という動画をわざわざ作って、これを公開している。

湯川鶴章のIT潮流 powered by ココログ: 「タブレットが普及するのなら、こんな教科書作りたい」というビデオ

この情報はTwitter:hkamata のtweetです。

それはともかく、誰もが自由に電子書籍を作って売って交換できて楽しめる市場ができるといいな、と思います。

と書いておいて、追記。

紙という形を持っている本は、たくさんの人々の手を介して届くものです。
書店もその一つ。
電子書籍が多くなると、印刷所も厳しくなるし、書店も厳しくなります。
都心の大書店さえ厳しくなる、ということ。
統合合併を繰り返して店舗数が減れば、それだけ、本の文化のバリエーションも減る、すなわち豊かさが失われていくということですね。
このあたり、どのように生き残りを図るか、これは組版をやっている自分もまた同じことですけれど、単純に電子書籍市場万々歳、というわけにもいかないでしょう。

電子書籍の流通が本格化すると街の本屋さんがつぶれる@ポートサイドステーション

「電子書籍が本格的に流通しはじめると、本屋さんは壊滅的打撃を受けることになるだろう。ほとんどの書店が1000円の本を売って得る利益は10円以下だ。そんなところに電子書籍が流通しはじめると、ますます書店の売上高は下がるだろう。倒産する書店が続出することは間違いない」

アップルの新型タブレット型コンピュータと電子書籍」への2件のフィードバック

  1. ポートサイドステーション木村

    記事のご紹介ありがとうございます。ただ1点だけ。横浜市民放送局ではなく、ポートサイドステーションの記事です。サイトTOPの「横浜市民放送局」の文字は、バナーなのです。こちらのサイトの作りが見にくく申し訳ありません。よろしければ修正をお願いいたします。
    今後ともよろしくお願いします。

  2. gont 投稿作成者

    コメント、早々にありがとうございます。
    修正いたしました。
    電子書籍についての記事、参考になりました。
    ありがとうございます。

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