トレイルラン島々谷〜徳本峠〜霞沢岳往復〜上高地、焼岳〜中ノ湯他

連休中、ランニングで「急行・北アルプス(の地味なところ)」してきました。
島々谷〜徳本峠〜霞沢岳往復〜明神〜上高地〜焼岳小屋、他です。

概略

2009年9月20日

04:20 島々谷ゲート(上高地線から島々谷に入って5分程度の車止めの場所)

車から放出される。快晴。ヘッドランプを点ける。
他のメンバーは、別行動・別ルート。集合場所は上高地から少し上がった新中尾峠にある焼岳小屋(標高2000m)。

ラン開始。普通の林道を走る。
熊が出そうで怖い。小さな熊ヨケの鈴では効果ないだろうな。
前日に乗鞍岳の頂上付近に熊が現れて観光客を襲ったというニュースがあったので、冗談抜きに怖い。
二股までの林道は問題なく走れる。明るくなってきた。
二股からも傾斜は緩いので走れる。道に迷うことはない。走りやすいぐらい。
道の崩れた箇所、壊れかけた橋もあるが、注意すれば問題なし
(雨の強いときは路肩は滑りやすいだろう。増水したら渡れない橋が数カ所出てくるかもしれない。雨のときの入渓は止めたほうがよいと思う)

06:40 岩魚留小屋(廃屋化しつつある?)

しばらく行くと傾斜が増してきて走れなくなる、早歩きに変わる。

07:40 力水(沢床から離れて、右手の斜面に。最後の水場)

ジグザグの登りで高度を上げる。思ったほどきつくない。

08:20-08:30 徳本峠(穂高の展望が開ける、小屋改装中)

霞沢岳稜線へ。
相当な速度で登っているつもりなのに、後ろから追いついてくる人がいる。
大きな鈴音がカランカランと鳴って近づいてくる。

追いつかれまいとしてがんばってみる。
バテてくる、しまいには足が痙る。これ以上は無理だ。
抜かれる。
どう考えてもトレイルランナーだと思うんだけど……

10:15 K1
足の付け根の痛みがひどくなってきたので、無理が効かなくなる。

10:40-10:50 霞沢岳頂上
トレイルランナー風登山者(?)さん曰く、島々谷から上がってきたとのこと。
自分より先に出発して、徳本峠発で自分が追いついて、先行したのだった。
彼の服装はトレイルランナーのそれだけど、タイムや競技性のあるランニングには興味はないらしい。
静かで地味な霞沢岳にふさわしいと思う。
彼はこれから上高地に降りるのではなく、島々谷のゲートに置いた車まで戻るという……
頂上からの下りもこちらが先発するが、あっさりと抜かれ、どんどん離され、視界から消える。
段差のある下りは衝撃が大きく、足につらい。それでも、先行者に遅れまいとしてがんばった結果、霞沢岳往復の予定時間が短縮された。彼がいなかったら途中で完全に歩いていたと思う。

12:50 徳本峠下分岐点

明神への下り、道は広くて傾斜も緩い。これなら走れる。
下り始めてすぐに、オオコケして、でんぐり返しする。途端に両足が痙って、その場で七転八倒しつつ、収まるのを待つ。アホや。
七転び八起き。これしきで!
明神まで走り下り、止まらずに上高地へ。

13:50 上高地・河童橋

河童橋に着いたところで、また足が痙る。
塩が抜けきってしまったようだ。昨夜一睡もしてないので眠い。
さすがに疲れた。焼岳まで一気に登る気力もない。
五千尺旅館で缶ジュース買って一気飲み。
河童橋を渡り、ソフトクリーム片手に持ってなめながらトボトボと歩く、焼岳登山口へ。
勝手知ったる登山道。何十回と登った道なので安心。
しかしもう、力が出ない、ただただ、足を前に出して登るのみ。

16:50 焼岳小屋着
ようやく到着。別働隊と合流、宿泊。
満天の星、天の川。
最低気温は5℃ぐらい。もう山は冬に向かっている。

2009年9月21日

08時頃 小屋スタート、別働隊もそれぞれに違うコースへ

足の痛みが気になるので無理せずにのんびり登山

09:50-10:00 焼岳頂上(焼岳の頂上でこんなにたくさんの人を見たのは初)

足の調子を気にしつつ、中ノ湯へ向かって走り降りる

11:10 焼岳登山口(中ノ湯の上に出るほうのコース)

車道に出たら、そのまま車道を渡り、駐車スペースの脇から下に降りる登山道を行けば、中ノ湯温泉の玄関まで降りられる。

12:00 中ノ湯で温泉!(外来入浴は12時からなので、しばらく待ちました)

温泉に入ってさっぱりして、ジュース飲む。すばらしい。
これにて、今回のトレイルランはおしまい。

の、はずだったんですが……

中ノ湯、そしてまさかのアフター・ラン ほか


バス停まで安房峠の車道を降りていく。20分ぐらいか。

中ノ湯バス停で、平湯行き(安房トンネルを抜けた先。飛騨側)のバスを待つ。
別働隊との合流地点は、焼岳の飛騨側の麓である中尾高原なので。

上高地から平湯行きのバスはすべて満席で、乗せてくれない。
空席なら乗せてくれるらしいのだけど、補助椅子は出ていないのだからまだ乗れるのに・・・素通りされる。
松本発の濃飛バスなら絶対に止まると思ったら、これも満席で素通り。

これはもしかして、バスに乗れないまま、ここで放置されるということか?

バス停で待つ10人程の登山者は、それぞれ携帯電話を駆使し、情報を収集。

・今回の連休で大変な人出。どこでも「待ち」状態(観光客でいっぱいだから)
・タクシーは、手配できず(観光客でいっぱいだから)
・バス会社に電話しても話中で通じない(問い合わせ多数か?)

なんとなく、わかったこと。

・高速道路料金1000円効果
・9月の5連休効果
・快晴効果
・熊出没、乗鞍岳から別の観光地へと変えた効果

→相乗的にたくさんの人が押しかけた
後で知ったことだけれど、今までにないほどの大混雑で、今日だけ特別に(?)乗れない事態になったらしい。

そういや、中ノ湯から焼岳に登ってる人、すれ違っただけで、100人ぐらいはいたと思う。深田百名山とはいえ、地味な山だし、ちょっと信じられない。
これで高速料金がゼロ円になったらどうなるんでしょう??

タクシーが手配できるなら、相乗り便乗しよう、ということで話はまとまっていたが、タクシーもダメ。
1時間ほど待つが、バスはすべて素通り。
このままだといつになったらバスに乗れるかわからない。
若手二人は「ヒッチハイクしようか」などと言っている。

自分はどうしようか。
待っているのは性に合わない。

中ノ湯から上高地線をランニングして下ることにしよう、沢渡まで。
沢渡のバス停はマイカー規制で乗り換える観光客用の上高地行きバスの起点でもあり、松本発平湯方面行きの濃飛バスであっても、さすがに素通りということはないだろう、と。
温泉入って汗を流した後だけど・・・まぁいいや。

交通量の多い車道の脇を走って降りる。
トンネルは怖い。もちろん、人が一人通れる程度の幅の測道の上を走るので、車の通行の邪魔にはならない。
でも車からすれば、こんなところを徒歩で移動するな、危ないぞ、と思うことだろう。

*マイカー規制してバス輸送するよりも、さらにエコなんですよ、歩いたり走ったりするのって。それも北アルプスの由緒正しきアプローチである島々谷からですよ、ウェストンや芥川龍之介も通った道から来たんですから、許してくださいよ……
*沢渡よりも下、新島々から沢渡までは、トンネル幅が狭く測道もないことから、徒歩やランでの通行は不可能に近い、非常に危険なので止めたほうがいいでしょう。自転車の場合、後ろから車に煽られること必至)

ランそのものは、車道が若干の下りなので、快適・快調、あまり疲れない。
速度が増して、汗がまた噴きだしてきた。
また温泉に入りたいなー、などと思いつつ、坂巻温泉のバス停を通過してトンネルへ。

約40分ほどかかって沢渡・岩見平バス停へ。
ここなら乗れるでしょ〜。と思ったら、バス停の係員曰く

・バスが遅れている、定期便でさえ1時間以上遅れている、いつ来るかわからない
・予約がなくて満席状態ならば乗れない
・もっと下のバス停ならば乗れるかも

沢渡のバス停は、マイカーの駐車場によって数カ所に別れており、下の大きなバス停に行ったほうがいいと言われる。確かにそうかもしれない。
また少し走って下る。
バス停にはまた別の係員がいて、曰く

・平湯行きのバス? (時刻表をめくって)最終バス出てるから、もう来ないよ

えぇ??? んなバカな。上のバス停の時刻表の看板にはちゃんと記述してあるじゃないか。中ノ湯でも時間は確認してある。
もしかして、沢渡にある何カ所かのバス停で、止まる場所と止まらない場所がある、ということなのか?

・・・そういうことにしておこう。
係員のおじさんも、ちゃんと時刻表を見て言っているのだから。
ちなみに、濃飛バスと、アルピコのバスと、ごっちゃになっているんじゃなかろーか。ウェブサイトで時間もメモしていたけど、わかりにくかったな。
今日だけは特別に大混雑だから仕方がない。

確実なのは、沢渡・岩見平バス停の時刻表には記述があり、そこには必ず来る(はず)、ということ。
またしても走って戻るが、バスが着く時間はとうに過ぎている。
ダッシュだダッシュ。山に来たらバスのために登山靴でもダッシュするのは当然の習わし(?)。
間に合え!

間に合った、というか、バスはまだ来ない。
もしかして、看板の記述自体が古くて、夏のシーズンが終わったらバスが来ないとか(山間地ではよくある話だよな)・・・

もうなるようになるさ、と腹をすえる。
場合によっては上高地行きのバスに乗って、上高地から登山道を登って、焼岳小屋の中尾峠経由で飛騨側の中尾に下ればいいんだ(全力で行けば4時間弱? ただし、いつ、上高地行きのバスに乗れるかも不明だが)。
このまま中ノ湯まで走って戻り、さらに旧安房峠をランニングして越えるか?
それもまたおもしろい……

とりあえずここで1時間は待とう、ということで、バス停から少し離れた場所にある自販機で、打ち上げ用麦水を買っているときに、おもむろにバスが来た。
係員が「早く〜 バス来たよ〜」と手を振っている。
え”? おぃ……ダッシュする。

満席ではなかった。
乗れた。
中ノ湯バス停で待っていれば、このバスに乗れただろう。

まぁいいか、トレーニングにはなったので。

中ノ湯バス停にはもう誰もいなかった。
辛抱強く待っていれば上高地からのバスに乗れたのかもしれないし、タクシーが手配できたのかもしれない。

こうして平湯経由(ここも大混雑!)で、中尾高原までバスで移動、集合場所に到着!
別働メンバーに聞くと、新穂高のロープウェイも大混雑とのこと。
この近辺はすべて大混雑。

ちなみに、中尾高原の宿の手配が遅れてしまい、予約できませんでした。
9月の連休は、早めに押さえないとダメみたいです。
今回は特別だったのかもしれませんが、高速料金が安くなったこともあり、その分、宿賃に充てることができるわけで。

結局、地元に知り合いのいる別働隊N氏にご尽力いただき、それなりに快適な夜(露天風呂+半露天の夜)を過ごすことができました。雨が降らなくてよかった……朝方、小雨に降られましたが大丈夫。
また、トレイルランだけでなく、いちばんの目的であった件も、ほぼ達成できました。

翌日は、安曇野を眼下に見下ろす清水(きよみず)高原まで登って、懸案であった用事を済ませ、帰りました。
中央道は大渋滞になっていたので、甲府手前で降りて、雁坂トンネル、秩父経由でした。

トレイルラン島々谷〜徳本峠〜霞沢岳往復〜上高地、焼岳〜中ノ湯他」への2件のフィードバック

  1. ボーゲンマン

    私達も夜中に満天の星に感動しながら、富山へ向かって走っていましたよ。
    その頃、ゴントさんが悪戦苦闘しておられたんですね。
    トンネルといえば、私達のコースもトンネルがいっぱいで、命がけのランニングみたいな箇所がありましたよ。
    新潟に入ってからは、富山の仲間から忠告で、親不知・子不知のトンネルは自殺行為なので車で移動するように指示されたので、この箇所だけは車で移動しました。

  2. gont 投稿作成者

    ボーゲンマンさんは超ロングリレーで諏訪湖から富山県庁に向かっていたんですね。お疲れさまです。
    夜間も繋いで一般道を走っていく、という企画は地元の方との交流もあるし、楽しそうですね。

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