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2006年01月28日

空を割る人たち

[ 0-日々のFLAG ]

 空に投げた小石がしばらくして自分の足もとに落ちてくる。そうしたらまた投げてみる。
 今年からは特に、言いたいことを言うようにしようと思っている。世の中の事象に抗議するようなエントリーは投げたくないのだけど、仕方ない。世の中の悪に対して正義の立場から文句を言うような、そういう審問の立ち位置に自分に置いて他者を糾弾するというのは、自分が無謬であるということだけを主張したいだけであって、一種の誤魔化しだと思うことがある。しかし「これは違う」と思った時点で、その違和感を書き留めておかないと、そのうちに、何に違和感を覚えたのか、そして、言いたいと思ったことが何であったのか、を忘れてしまう。そして、手を挙げて何かを言おうとするその仕方さえわからなってしまう。手を挙げてもいないのに賛意を示したかのように扱われ何事かが決められていくポピュリズムの世の中で、自分の立ち位置を奪われないようにするには、違和感を感じた時点で小さな抵抗を示すことだと思う。「そうだ!」でも「違う!」でもいいから、手を挙げると同時に、小石を投げておく。小石を投げることが仕事ではない自分としては、個人的な(無力ともいえる)方法を使うしかないのだけれど、後悔したくない。

 投げられる時は、なんであれ、投げておいたほうがいい。北朝鮮で自由な発言すれば殺されるし、中国もさして変わらない。中国はネットに繋がっているけれど、グーグルで「天安門 民主化」なんて検索しても結果は返らないように細工されている。日本であっても、会社などの組織に属していたら、当たり障りのないエントリしか投げられないだろう。自らの安全を図るために、力ある者や機関の言説に頷くだけで疑義を挟まない人が増えるだろうし、群衆の無意識が形作る言説への同質化・同調圧力がいっそう高まると思う。
 寄らば大樹のポピュリズムは、大樹の中が空洞で大樹の繁る葉が偽装スクリーンであることがバレたら困るので、大樹を守るための検閲機関を強化する。誰がどこで何をどのように発言しているか、他の人と違う発言をしている者はいないか、を常時チェックする機関は、ネットであれば技術的に可能だ。少なくともメールについては、一部の組織では検閲が普通に行われていると思う。ユビキタスが張り巡らされようとしている日本では、今後、いつだって検閲が可能になっていくだろう。そして、違うことを言う人のなかで、力や権力を持つ人間は、メディアによって偽装された国民の総意によって消される(たとえばホリエとかホリエとかホリエとか。歌舞伎町のサーバを押さえられた時点で終わり)。

 空だと思っていた天蓋が仮想のスクリーンで、自分の立ち位置が実は、地下の監獄、坑道の中、なんてこともあるかもしれない。カナリアたちが鳴かなくなった時、渾身の力を込めて小石を空に投げつけ、空を割る、空が割れる宮沢賢治の絵を思い浮かべながら。

Posted by gont at 2006年01月28日 13:49 | TrackBack