第16回奥武蔵ウルトラマラソン

奥武蔵ウルトラマラソン

奥武蔵ウルトラマラソン


1回目完走、2回目はリタイア。
そして3回目の今回。
完走できました。8時間20分台。

リベンジできたというより、練習した甲斐があったなと。
ただ、前日に整形外科に駆け込むという失態もあって反省。
レース当日は雨で気温が上がらず、という好条件もあった。
完走できたのはいろんな偶然が重なった、ということかも。


奥武蔵ウルトラマラソン

[ウルトラマラソンの概要]

埼玉の山間地・奥武蔵の舗装の林道を走る77kmのレースです。
エントリーしたのは5月のはじめでした。
第16回奥武蔵ウルトラマラソンに仮エントリー

前回、前々回の様子は、上記リンクからリンクあり。

[前日]

レースの前々日に腰(右足の付け根)を痛めるという事態に。

ラン練習ノート(7月)7月31日

アホだなぁオレは。
夜間、痛くて何度か目を覚ます。腫れている。歩くことはできるが、走るとかなり痛い。こんなんじゃ出場しても途中リタイアだ。
原因はなんだろう。筋肉や腱が痛んだのであれば、湿布してテープして痛み止めを飲めばなんとかなる。しかし骨にヒビが入っていたり折れていたら出場自体がムリだ。
しばらく悩んだ末、整形外科に行く。
レントゲンを撮る、骨は折れていない。練習しすぎで筋肉や腱の一部が痛んだ、ということらしい。湿布と痛み止めをもらう。
すぐ服用する。これで痛みが引かないとなると悲惨だなぁ、せっかく練習してきたのに。気持ちは弱気に。
午後、Fuさんの車に乗せてもらって前日エントリーのため毛呂に。ともかく出るのだ。歩く分には大丈夫そうだから、前半をできるだけ抑えて、時間切れならそれも仕方がない。スタート・ゴールの総合体育館の隣に野菜直売所があり、ここで野菜を買っていく。
帰ってから鴨居にぶら下がったりして腰を伸ばす。右足首を縛ってかなり強引に牽引。グキっとなったが、それがよかったのか、歩くとズキズキする痛みが消える。

[当日 2009.8.2(Sun)]
朝起きて仕度をして自転車で駅まで。歩いたり自転車に乗ることはできる。薬が効いているのか昨日のような痛みは消えている。
Fuさんやサポランさんと合流、電車を乗り継いで向かう。

なお、Googleの「えきから時刻表」の検索結果がYahoo!の乗り換え案内と違っていた。Yahoo!のほうが正しい。
Googleをアテにしていたら、時間に間に合わないと判断して、東武線までタクシーで行くという判断をしていたかもしれない。
Googleを鵜呑みにせず、複数の検索エンジンを使うべきだと思った。

シャトルバスで会場につく。
天気は曇り、山のほうはガスっている。たぶん小雨。これなら暑くならない。ありがたい。
着替える。前回はロングタイツ+Tシャツで、熱中症ぽくなって失敗したので、今回はランシャツ+ランパン。涼しさを重視。
湿布をさらに貼る。
トイレに行こうとしたら、長蛇の列。昨日行った野菜直売所の裏の公衆トイレを思い出してそっちに行く、助かった。
戻るとほどなくしてスタート。

走り出して痛くならないか、どきどきする。カカトに体重を乗せて腰で走ると痛い。これを続けるのはダメなようだ。走り方を変えて、山登りのような歩き方で走る。ダマして走れば大丈夫のようだ。しかしまだわからない。ともかくスローペース。どんどん抜かれていく。かまわず遅れていく。ともかく最初は負荷をかけずに筋肉をゆっくり動かして慣れさせなければいけないと思う。

最初の周回コースではかなり後ろのほうで、すり足で走る。林道で登りは小幅、下りは半分歩くような速度なので抜かれていく。ただ、歩くことはしないので、最後尾にはなっていない。
痛みは出ない。レースは続行。

周回コースから鎌北湖、そしてグリーンラインに入っていく。小雨。
もう15kmぐらい走っている。前回、前々回では、この時点で足がかなり疲れていたと思う。今回はそれがない。練習した甲斐がある。

稜線の林道コースに入るまで、3回の大きな下りがある、ここもムリをせず。折り返して戻ってくるときは3回の厳しい登りがあると記憶しておく。
完全な登りの林道になってから、少しずつ、足に力を入れ始める。大丈夫だ。前半飛ばしてバテた感じの人を抜いていく。

そうこうしているうちに、7月の練習会で走ったコースに入る。
ここから折り返しまでどのくらいの距離があり、高低差がどんな感じなのか、体感して覚えているのでありがたい。
足がまだ疲れていないのはありがたい。

エイドでは必ず止まって給水・給食。
水分補給はスポーツドリンクとオレンジジュース。二杯ぐらい飲む。
問題だったのは、塩を多くとってしまったこと。これで胃がおかしなってしまった。後半になって水分を摂ると気持ち悪くなってしまった。
食べたのはグレープフルーツ、メロン、キウイ、トマト、小おにぎり、おかゆ、そうめん。前半からちゃんと食べる。しかし後半は、胃がむかむかしてきて食べられなくなる。痛み止めを飲んでいたせいか、胃が荒れてしまったこともある。あと、夏の胃腸の疲れもあるような気がする。

走り出す前に入念にストレッチする。折り返しまでは足をもたせる。また、頭を下にする動作をすると、身体がどれだけ熱くなってるか、わかる。今日は小雨だからいいけれど、暑いときは、熱がとれるまであと3分ぐらいは止まってる必要があったかもしれない。ただ、各エイドでそれぞれ3分止まれば、30分ぐらいはロスするわけで……
小雨と霧で涼しく、エイドでひしゃくの水を頭からかけてもらう必要もなく、ほどなくしてそのまま走り出す。

稜線に出たこともあって走りやすくなる。アップダウンはあるけど、急坂が連続することはない。
折り返しが近づいてきて、足の早い人が次々とすれ違う。エールを送り合う。がぜん、元気になる。
折り返しの一つ手前のエイドは、折り返しで充分に休もうと思ってカットして走る、その間にサポランさんを抜いたらしく、後ろからご挨拶。
サポランさんに追いつくというのは、よいペースで走ってる証拠だけれど、逆にムリし過ぎている可能性もある。
前回は追い抜いた後にバテてしまったのだった。
サポランさんは登り坂をあっという間に登っていき視界から消えてしまった。足が強い。追いかけようにも追いかけられる速度ではない。
今度は折り返してきたFuさんとすれ違う。「おーー」と挨拶。あっという間に視界を通り過ぎる。
二人を見かけるということは、最初はスローだったけど、林道に入ってから調子が上がってきた、ということか。

折り返し。
前回はここでリタイヤ。最初に走ったときも、ここまで来てひどく疲れていて、帰りの距離に唖然とした記憶が。
今回はまだ走れる。雨降りのおかげ。熱で疲労していない。
ただ、右も左も、足の甲というかアーチがシクシクと痛みだす。
補給、ストレッチして、しばらく休んで折り返す。まだまだ先は長い。

あとは下りが多い。下りで足の衝撃を腰で受けるような走り方をすると腰に痛みが出ることがわかる。足裏も痛い。いろいろ試した結果、膝を曲げ気味にして、夏山の雪渓を滑って降りるような感じで下る。膝に負担がかかるのであまりよくはないけれど、雨で濡れた路面を利用して微妙に滑らせる感じ(実際には滑ってないのかもしれないが)。これが使えるようになって、下りは大丈夫だと判断して、ともかく前の人を追いかけて抜く、を繰り返す。霧雨が深くなる。

そうこうするうちにFuさんの背中が見えてくる。がんばって追いつこうとするが、なかなか近づいてこない。登りで見失う。下りになってまた見えてきた。そしてようやく追いつく。エイドで一緒になって話をしたりして、また走り出す。登りでは追いつけず離される。歩幅も筋力も圧倒的に差がある。サポランさんもそうだけど、長いことウルトラを走ってる人は、筋力が最後まで残っているのだった。

途中、頭にオニギリのかぶり物をしている人や、麦わら帽子をかぶって虫獲り籠を肩にかけ虫獲り網を片手にしたオジサンと前後する。どんだけ余裕なんでしょう。他にもウェディングドレスで走ってる女性がいたけれど、ウルトラで仮装をやるという根性は尋常ではない。

雨が少し強くなってきて、お腹が冷えてくる。あートイレに行きたい、足に力入らない。エイドでトイレに行く。なんとかクリア(?)。

胃がやられて気持ち悪くなっていて、下りのエイドではあまり食べたり飲んだりできない。
しょうがないのでエイドはカット、そこにFuさんがいてこちらが前に出た。後ろから追いかけられるプレッシャーをテコに前へ前へと足を出す。そうとう疲れが出て、膝がガクガクして痛みも出てきたけれど、がんばって走っていく。鎌北湖の登りまではまだ距離がある、登りになる前に距離を稼ごう。このあたりから雨が強くなり、林道の一部が川のようになる。ジャバジャバと川のなかを走る。

鎌北湖までの登り。3回の急登。ここの登りで何人か足の強そうな人に抜かれてしまう。思ったよりもずっと厳しい。こんなに高く登っていったっけ? 最後は歩こうかと思ったが歩幅を短くして登りきる。
鎌北湖へと下る峠に出る。うぇえ疲れた。これで登りは終わりだ、とほっとしたのもつかの間、後ろからFu氏が。えぇ? あれだけ下りをがんばったのに、この登りで追いつかれた? 

こうなれば全力で下るのみで、バタバタと駆け下る。もう遮二無二走り下るしかない。平坦な道になってから減速。意識としては気合いを入れてるのだけど足がもう動かない。
非常に遠く感じる。まだ着かない?
そのまま雨のなかゴール。ようやくゴール。

サポランさんが完走証を持って前にいる、すぐ後を走ってきたようだ。すぐさまFu氏もゴール。わずか3分の間に3人ゴールしたことになる。
追いかけられ効果(!)でタイムはすばらしいが、それにしても力を出し尽くした感。

体育館で着替える。疲労が激しい。息が整わない。ハンガーノックなら何か飲んだり食べたりすれば直るんだろうけど、胃が受け付けない感じ。
帰りのシャトルバスや電車のなかでも息が荒い状態が収まらない。登山でたまにある症状で、疲労困憊するとこうなる。急に眠くなり、ガクっと寝てしまう始末。これが悪天候の山だったりすると確実に疲労凍死する状態だった。全力を出し切ってしまった、という感じ。乗り換えでFuさんにお世話になる。打ち上げもちょっとムリな感じで、駅から自転車でフラフラしながら家まで戻った。泥のように眠る。
翌日、右の腰が腫れ気味、片足に体重をかける動作で少し痛むが、固定した歩き方、走り方では痛くない。これは助かる。引き続き湿布、痛み止めを飲む。疲労はしばらくとれないか?

ともあれ完走できてよかった。
前回リタイアして、再びウルトラを完走しようと思ってエントリー、春から練習した結果が出たのはうれしい。直前になって足を痛めてまたダメか、と思ったけれど、結果的には、そのおかげで前半を抑えて走ることができた、ということ。今回は運がよかったのかもしれない。練習やレースで無理をして故障すると、その後のレースに出られなくなったり、よい状態で走れなくなる。長く走り続けていくには、それなりの時間をかけて走る身体を作っていく必要があるのだろう。

第16回奥武蔵ウルトラマラソン」への6件のフィードバック

  1. ピンバック: ラン練習ノート(2009年7月) | GONT-PRESS

  2. ボーゲンマン

    すごい内容ですね!
    よくもそのような状態でレースに出場されたと驚いています。
    レース後の様子から、全て出しつくした内容だったのでしょうね。
    ゴントさんの身体が可哀そうな気がしました。
    酷使した身体を、ゆっくり休んでリフレッシュさせてあげて下さいm(__)m

    仲間の3人が抜きつ抜かれつ3分以内のゴールは、実に素晴らしいです。

  3. gont 投稿作成者

    コメントありがとうございます。
    Fuさんとサポランさんはまだ余裕がありそうでした。
    ランニングを続けて鍛えている人は、疲労しない強い身体になっているのでしょう。
    Fuさんやサポランさんが毎年出場している雁坂峠越えは、奥武蔵の2倍弱の距離で登山道の峠越えですから、よく足がもつな・・・ちょっと信じられないという気持ちです。
    それと胃が弱いと長い距離は難しいのだな、と思いました。
    今も胃が荒れていて、胃薬飲んでる状態です。

  4. Fu

    いやはや今回(以前を忘れているだけかも?)は疲れましたね。
    人並みのスピードで歩くこと、小走りすることはできますが、階段を何度も上下しているとやたら足が重いと感じます。
    私も一杯いっぱいだったことでしょう。
    当日は疲れすぎていたのか、熟睡できず、翌日は辛くてしんどい一日でした。
    それでも何日か経てば、良いことしか記憶に残っていないはず!

  5. gont 投稿作成者

    >Fuさん
    お疲れさまでした、けっこうハードでしたが完走できてよかったです。
    エントリーでは車に同乗させていただきありがとうございました。
    久しぶりに長い距離で、急ごしらえの身体が悲鳴をあげましたが、ぎりぎりなんとかなった、という感じです。もっと安定して走りたいところですが、練習量も時間もかかりそうです。

    >沼さん
    栂海新道を踏破されたんですね! すばらしい。
    いつか自分も行ってみたいものです。
    こう蒸し暑いと夏山に行きたくなります。

コメントは停止中です。