春の秩父、品刕(白井指)周遊と日野温泉

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 前日の18時まで仕事。連休だというのに……ようやく終わって、さて、明日は山に行こう。どこに行くか?
 天気は曇り、午後から雨の予報。

(写真は後で時間あったら掲載予定)

 西武線の電車で行ける秩父の山、そこまでは考えていたが、どの山に? やはり下山後に温泉があるところがいい!……傾斜のありそうな熊倉山は? 麓の日野温泉の白雲荘は入浴のみ可、800円、駅のすぐ近くだ。しかし……駅からのスタートが10時だと、降りてきたときには夕方遅くになってしまう(相棒の足に合わせる必要がある)。それに、雨につかまって、尾根の途中で引き返すのは楽しくない。ならば……

 白久駅の北の山は? ハイキング用の地図を見ると、639mの品刕(白井指)という低山がある。ネットで調べてみると、道標はないけれど、鉄塔の巡視路沿いに頂上に登り、西側に降りたレポートがあった。

 地図を見ると、頂上から北にわずかな距離で文殊峠という林道が通った峠がある。地図には点線の踏跡が引かれているから、道はあるだろう。そこからならば、林道が通っているのだから、どうにでも帰ってくることはできそうだ。ということで、品刕のミニ縦走に出かけることにした。

 文殊峠以降の帰りの道は、峠から林道を北東に下る釜ノ沢沿いに下り、途中から林道を離れて左岸の小さな沢に入って登り、小尾根を乗っ越して沢伝いに柴原鉱泉に降り、道路沿いに南下、緩い鞍部を越えて、国道140号に戻る。白久駅と武州日野駅の間に出るので、東に左折、しばらく行けば日野温泉。時計回りの周回コースとなる。

 結果としては、地図を読み誤り、白井指頂上から違う尾根を降りてしまい、尾根の末端では藪漕ぎになってしまった。

教訓:標高に関わらず「怪しい山」では2万5000分の1の地図と細引必携。

 10:00、白久駅出発。駅前で飲料以外の食べ物を仕入れるのは難しいと思う。最初から食糧は持って行くこと。

 駅の北側にある橋で荒川を渡る。目の前の白井指は小高い緑に丘、といったところだ。国道140号に出たら東へ右折、前方に見える送電線の下のほうまで歩いて行く。左側は雑木林の斜面で末端はコンクリートの壁になっている。連休なので車の通行量が多い。

 送電線の真下から始まる巡視路から登山を開始する予定だったのだけど、獣除けの電気柵が斜面を横切っていて、巡視路に入ることができない。電気柵は道路に平行して、斜面のかなり先まで横切っているように見えた(実際、柴原鉱泉から140号線に合流する地点まで続いていた)。

 登山を断念するか? いや……手前に階段があった。手前のコンクリートの壁の途中に、小さな階段があり、傾斜のある杉林の中に消えている。ここから少し強引に山の中に入っていくことにした。

 杉林の斜面は少し藪っぽいが、この程度はどうってことない。適当に右上していけば、踏跡があり、巡視路に合流、そこからは普通の登山道になる。頂上まで問題はなし。

 道標はなく、東京電力の黄色いプラスティックのポールを頼りに、巡視路を登っていく。道を迷うということはない。二俣に別れていても、一方は稜線から少し離れた場所にある送電鉄塔の整備用の道なので、よく見ればどちらが頂上への道かわかる。途中には秩父や奥多摩にありがちな巻道がなんども現れるけれど、下に下っていってしまうことがなければ、稜線からの道と途中で合流する。

 道はずっと樹林の中で、展望はごくわずか。後ろの前も、誰もいない。杉林に鳥のさえずりだけが響く、まったく静かな低山。展望もなく、鉄塔が敬遠されるのかもしれないが、静かな山を求めるならば、ここはよい場所だと思う。

 東京電力のポールの「84号」が出てくると、道は稜線からはずれて、左側の西側斜面に降りていく。頂上はこのまま稜線伝いにわずかな距離にある。踏跡が薄くなるので少し心配になるが、ピークをいくつか越えれば、展望のない頂上に達する。

 三角点と道標がある。

 天気はずっと曇りで、わずかに霧雨も混じるが、本格的な降りにはならないようだ。

 頂上から西と北に踏跡が続いている。どちらも細い。予定通り北へと向かう。

 わずかに進むと左側の斜面が開けてくる。斜面の樹木は伐採され、急な傾斜のなかにジグザグの林道が上がってきており、尾根に合流する。この林道を降りていけば、たぶん、伊豆沢の右俣沿いに降りていってしまうだろう。そうなると……尾根末端を回り込んで林道を登り返して峠に出ることになり、遠回りになる。なので、尾根に上がってきている林道から離れてそのまま稜線上を行く。

 斜面が切り開かれて日当たりがよくなったためか、藪がうるさい。踏跡もはっきりしなくなった。じつはこのあたりで、北西へと降りていく尾根から離れて、斜面の右側を北北東へとトラバースして降りていかなければならなかったようだ(尾根に上がってきた林道あたりが分岐か?)。ところが、尾根筋に打たれた小さな赤い杭とピンク色のテープにひきずられて、峠の方向から外れてしまった。

 もう峠についてもよい頃なのに……時間がかかりすぎているし、降りすぎていると思った。明かに主尾根から外れている、と気づいた時には、杉林の樹林帯の急な尾根の末端まで来てしまっていた。下に林道、民家、林道に平行した沢が見えているではないか。降りられるだけ降りてみようと降りていく。

 急な斜面の杉林と下草の藪を強引に降りて、沢筋の林道に出られた。小さな山でも沢の側壁が3mもあれば、ロープなしでは降りられないのだから、場合によっては登り返すことになっただろう。下りはともかく注意しなければいけないのに……ルートファインディング失敗で情けない気持ちになる。

 どのあたりだろう。文殊峠と諏訪神社の中間地点あたりだろうか? いや、おかしい、それならば、右側のほうが高いはず。今の場所は右側が下がっている。ということは、頂上の北で分岐する北西の尾根をそのまま末端まで降りてきたのだろうか。確かにそのぐらいの距離は歩いたが……ともあれ右側に林道を行ってみればわかる、ということで歩き出す。

 林道の左側、沢の上の方角からは、誰かが犬を放し飼いにしているのか、あるいは野犬の群れだろうか、多数の犬が遠吠えしていて不気味だ。拡声器で音楽を流していて、それに反応しているようだ。犬のブリーダーでもいるのだろうか? それとも、おかしな宗教家でもいるのだろうか。ともかくそっちには行く気にならなかった(帰ってからネットで調べると、同様の犬の遠吠えの記事が出てくる。うーん……ここには近づかないほうがいいようだ)。

 林道をわずかに下ると、文殊堂と諏訪神社にぶつかった。あぁ、やっぱり北西の尾根を降りてきていた。神社の不揃いの細い参道の階段を上って見学する。ここで、山に入って初めて人に会った。地元の老夫婦が山菜採りをしていた。

 帰りは、峠まで登り返すことになった。伊豆沢の左股の林道を登っていく。

 峠近くなってから、天体観測所のようなドームが見えてくる。ほどなくして文殊峠に着く。山小屋風の建物もある。私設天文台だろうか。元天文少年としては興味津々なんだけど、地図には何も記されてないし、雨も降り出しそうなので、足早に素通りする。後で調べたら、峠の北側の釜ノ沢沿いにある長若山荘という民宿の天文台だった。

 峠からは釜ノ沢沿いに林道を下っていく。今度は道を間違えるわけにはいかない。林道途中で枝沢を登り返して鞍部を乗っ越すのだ。ほどなくして立派な道標を見つける。これなら間違えることはない。そこで小休止。

 パンを食べていると、下から軽トラが上がってくる。運転していた地元のおじさんが声をかけてきた。この道標もおじさんの手作りだという。この付近の山の道標はみんな付けたらしい。品刕からの下りで、道をはずして変なところに降りた、と言ったら首をかしげていた。普通、間違えないのだろう(泣)。これからの「ミニ峠越え」のルートも教えてもらう。その指示は的確だった。おじさんが言うには、釜ノ沢の下には民宿があって、そこに行くなら乗せていってやろうと思ったとのこと(後で調べたら、このおじさん、民宿のオーナーさんだった! 感謝感謝)。

 わずかな距離の沢を詰めて暗い樹林の峠を乗越して沢沿いに下ると、すぐに林道に出る。その後は山道はない。このまま歩いていけば柴原鉱泉だけど、日帰り入浴はできないそうだ(2008年5月現在)。林道の細い道でも連休なので車が多い。緩い鞍部を越えて、40分程度ぶらぶら歩いていけば、国道140号に出て左折、荒川の橋を渡ってしばらく行けば武州日野駅近くの日野温泉。白雲荘の位置はグーグルで調べておくといい。

白雲荘の玄関横が受付カウンターで、すぐ目の前がお風呂の入口。すごく親切な受付だったので気分もいい。さらには、連休だというに、人が少ない(というか、しばらく独り占め状態)。露天風呂もあるし、まったくすばらしい限り。ただし、飲食はできないので、風呂に入って出たら、武州日野駅から電車に乗って秩父駅前まで出て打ち上げすることになる。

前日に決めた春のミニ山登りにしては、けっこうおもしろい山だったし、帰りの温泉もよかった。それと、天文台のある峠にはまた行ってみたいものだと思ったのでありました。