終わりの始まり、終わりからの始まり

[逐次改稿中、必要なリンク等を追加します]

ネオリベラリズム
グローバリゼーション(アメリカ型の金融グローバル資本主義)が躓いた。
金融安定化法案が米下院で可決され、大統領署名を待って、発効する。
「帝国」の終わりのはじまり。

語義を精確に定義してないし、経済についてわかってないことが多いので、的を外した話しになってる可能性は高いのですが、今回の金融危機は、全世界を巻き込んだ時代のエポックだと、そう思って、記念カキコしています。

ソ連崩壊、冷戦の終わりで一人勝ちのはずの米が、それを支えたシステムが故障した。
まだ故障もしてないし、仮に故障して倒れそうであってもすぐに立ち直る、
あるいは、倒れていくならば世界そのものが消える、という人もいるだろうけれど、
これまでのなかでもっとも大きく躓いたのは確かだと思う。
第二次世界大戦後の世界が終わりつつある、と感じる。

それは悦ばしいことではなく、世界が再び挫折した、ということになる。
有効であると思われた人間の未来を支えるカードの一枚が、使えなくなってしまった、
発行元のアメリカが潰れかけている
(関係ないようであるような話し。CITIが発行していたAmazonのクレジットカードが2008年12月15日から使えなくなった)。
使えなくなったことで、貧困にあえぐ反グローバル、反「帝国」の国々は、その軛から逃れるチャンスが現れるかもしれない。
しかし、米が退潮し、隅々まで伸ばした手を引っ込めれば、他の勢力が一斉に伸びていく。それゆえに混乱も始まる、ということだ。

ちなみにグローバル化が常に悪いとは限らない、問題なのは、アメリカ型のグローバル化、傾斜のあるフラット化が進み、貧困、経済的な不均衡をアンフェアネスのまま増大させたということ。イメージとしては、アメリカの重力圏に囚われた傾斜のある平面(フラット化しているが、そのフラットが傾いている)にすべてのモノ・コトが置かれたがために、その重力圏に左右されるグローバル化が起こっている、そうした平面上を流れるエネルギーが渦を巻き、その渦は次第に大きくなって、平面をさらに歪ませ、最終的には平面そのものに大きな穴が空いて、平面とその上にあるモノ・コトが飲み込まれてしまう、そんなイメージだ。

知らないうちに世界にばらまかれた金融クラスター爆弾、
その不発弾は各国が処理しなければならない。
一方、アメリカ発のCDSという金融核兵器が多く残っている。
連鎖的に金融機関を破綻させ、同時に、企業も倒産させていく。

「「CDS」−−ウォール街を破滅させた怪物」(「ニューズウィーク日本版」10月 1日(水) )

「銀行が信用リスクを資産から切り離し、保険会社や年金に肩代わりさせることに成功した」

まずはその爆発を最小限に防ぐことが先決だが、それで済むわけがない。
このシステムによって利益を得た者たちに、責任をとらせなければいけない。
少なくとも、米国民の怒りは収まらない、収まらないどころか、どんどん膨張していくだろう。

住宅ローンを無分別に貸し出し、債権を全世界に売りつけた金融屋たち、そして、これらを許し、莫大な収益をあげ、これらのカラクリがばれないように戦争をし続けたアメリカ政府、この方法をまねしたその他多くの国家と金融屋たち、このアメリカを支援した国家(日本政府含む)は、責任を負わなければならない。ローンの借り換えを行い、余剰資金で豊かな生活をし続けたアメリカ人は、体脂肪が半分になるぐらいは脂汗をかいて反省してもらいたい。

そのうえで、新たな分断の時代が開始されるまえに、
世界を支える新たな仕組みを生み出すことだ。

1920年代の金融恐慌によって、各国が自国を守るために始めた保護貿易によって、各国の産業は壊滅していき、その結果、世界戦争が起こったことを考えれば、この事態は、対岸の火事ではなくて、足下の火事だ。

日本の立ち位置は現在、下記の延長線にある。

インタビュー:米サブプライム問題、米経済の根幹揺るがす事態にならない=竹中氏

「竹中平蔵前総務相(慶応義塾大学教授)は16日、
ロイターのインタビューに応じ、
世界金融市場の動揺の契機となった米サブプライムローン
(信用度の低い借り手向け住宅融資)問題が
米国経済や信用システムを揺るがすような事態にはならないとの認識を示した。」

(「ロイター日本語ニュース」2007/08/16 18:21)

日本の不良債権をザックリと始末した仕事は悪くなかったかもしれないが、
サブプライムに関しての予想ははずれてしまった。
誰も未来を完全に言い当てることはできないにせよ、
米をモデルとした米追随型の政治・経済には落とし穴がある、
ということはわかったわけで、軌道修正が必要なのは当然だろう。
もちろん、以前の「大きな政府」に戻ることもできないのも確かだし、
戦前のような国家観のもとで政治・経済を再現しようなどという、
無意味な時代錯誤も間違っている。

経済では、内需の拡大はこれ以上大きくはできないし、海外もまた、
今回の米発金融不安で大変なことになっているので、米国の替わりにはならない。
BRICs、欧州、中東、すべて影響を受けている。

政治・経済の米国依存からの脱却も簡単にはいかない。
安保条約、軍事、憲法、あまりにも大きな課題が突きつけられる。

この混乱した世界のなかで、これからどんな未来を作っていくのか。
まだその議論が始まったばかりだけれど、
今までの方法では決してうまくいかない、
それだけは、今回の金融危機でわかった。

*メモ、リンク、後で関連する書籍などを探す

一人で学べるファイナンス理論
数理ファイナンス
資本資産価格モデル
アローの不可能性定理
ケネス・J・アロー (Kenneth J. Arrow)

上げ潮とかバラマキとかリフレとかについてざっくりまとめてみるメモ@赤の女王とお茶を
市場・原理主義 or 市場原理・主義?@同上